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LIXILに異変?海外積極展開&国内で急ブレーキ 世界的企業への脱皮に正念場

文=編集部
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 GEで鍛えられた藤森氏は、M&A(合併・買収)のプロだった。社長に就任直後から海外企業の大型買収に着手した。11年8月、イタリアのカーテンウォール大手ペルマスティリーザを580億円で買収。カーテンウォールとは総ガラス張りの高層ビルなどに使われる外壁材であり、ペルマの製品は東京ミッドタウンなどのランドマークでも採用されている。13年8月、米衛生陶器最大手のアメリカンスタンダードを531億円で買収。北米の衛生陶器市場でシェアは21%となり、ゼロから一気にトップに立った。同年9月にはドイツの浴室やキッチンの水洗金具メーカー、グローエを日本政策投資銀行と共同で買収すると発表。グローエの水洗金具は世界の高級ホテルで採用されており、買収総額は3816億円に上る。

 積極的な海外M&Aの結果、今年1月にLIXILの株価は上場以来初めて3000円の大台を突破した。国内外で手掛けてきたM&Aが業績に貢献するかどうか、その成果が最初に問われるのが今期通期決算だ。4~6月期の業績が失速し、期待が膨らんでいた分だけ失望は大きかった。同社がグローバル企業への脱皮を遂げることができるのか、正念場を迎えている。
(文=編集部)

【続報】
 LIXILグループは10月14日、2014年4~9月期の連結純利益が前年同期比77%減の40億円になったと発表した。7%増の190億円という従来予想から一転、大幅な減益となる。同時に15年3月期(通期)の純利益見通しを400億~490億円(従来予想は前期比9%増の490億円)に修正、前期の447億円に届かない可能性を示唆した。下期の値上げとコスト削減で150億円の増益効果を見込んでいるが、利益率の高いリフォーム向けの販売の伸び悩みが続けば、通期でも減益の可能性が高い。

 LIXILグループの株価は10月14日に一時、前週末比61円(3%)安の2087円まで下げ、年初来の安値を更新した。8月4日に発表した14年4~6月期決算で、純利益は前年同期比99%減の1億円だったが、藤森義明社長は「先行投資が増えた結果。想定の範囲」として、14年4~9月期と15年3月期(通期)の業績見通しを据え置いた。4~9月期は結局77%の減益となり、190億円から40億円に純利益は急減したわけだ。8月の段階で4~6月期の実績不振を反映して、4~9月期の見通しを下方修正するという選択肢もあったが、LIXILは強気を貫き、投資家の期待を裏切る結果となった。

BusinessJournal編集部

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