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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」(10月2日)

Mac、なぜ“優れモノ”レッツノートのシェア侵食?マーケ戦略でみる商品力

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役

●相反する潜在ニーズをつかむ

 筆者は以前からパナソニックのPCを使い続けているが、実際に開発責任者と話して、日本の意地を持ってものづくりをしている情熱を感じた。ビジネスパーソンの意見をたくさん取り入れ、不満を解消する製品開発へ生かす体制。インテルと親密な関係を維持し、モバイルPCに最適化されたチップの開発とあわせてマシンを設計する姿勢。ここまでするかと思うくらいの“職人魂”で最高の製品に仕上げていく。

 故障や障害のサポート体制もすばらしい。レッツで何度か訪問修理を依頼したことがあるが、1時間ほどでパーツを交換してすぐに使えるようにしてくれて助かった。ビジネスシーンでのマシントラブルは生産性のダウン、チャンスロスに直結する。嫌みに聞こえるだろうが、アップルのサポートではこうはいくまい。

 というわけで、筆者は長年の愛用歴とMade in Japan体制をサポートしたいのでパナソニックを応援したいが、Macもかっこいいので欲しいと思っており、実際に本稿執筆中に買ってしまった。こうした相反する思いを持っているビジネスパーソンは多いのではなかろうか。特に日本メーカーのPCを使用してきた世代には……。

 そのあたりの潜在ニーズを持つユーザーに訴えかけられるモバイルPCが、日本の家電メーカーから発表される日を心待ちにしたい。
(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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