たしかに震災時、電気が止まってしまい、料理をするのに困った方も多いだろう。逆にガスが止まってしまった時のことを考えれば、調理家電もあると非常に心強いのではないだろうか。

●安全を求める機運が高まる

 では、なぜ調理家電が続々と登場するようになったのだろうか?

 おそらく、そのきっかけは、10年にフィリップスが欧州で発売した「Airfryer(エアフライヤー)」だろう。同商品は油を使わずに熱風で揚げ物をつくることができるという調理家電。油を使わない分、ヘルシーな料理をつくることができ、欧州だけで100万台以上も売り上げるなど大ヒットとなった。13年4月に日本でも「ノンフライヤー」と名前を変えて発売されたのだが、同じく大ヒットしている。この「Airfryer」のヒットを皮切りに、世界中でも新たなコンセプトの調理家電が開発されるようになったといわれている。

 さらに日本での調理家電のヒットの理由として、中国産食品の問題も挙げられるだろう。使用期限切れの鶏肉や劣悪な衛生環境の中で扱われていた肉が、中国から輸入されていたと今年の7月に発覚したことは記憶に新しいが、以前から中国産などの加工食品の危険性は度々指摘されている。このような問題が積み重なり、消費者も徐々に原材料や原産国が不明瞭な食品を口にすることを避けるようになったのではないか。

 手づくりならば素材から自分で吟味でき、添加物などを含んでいない安全な食品を安心して食べることができる。そういった側面からも調理家電が注目されるようになったと考えられる。

 まだまだ進化を続ける調理家電。便利さもさることながら、食品の安全性を求める消費者がいるかぎり、手づくりブームは終わりそうにない。漫画に出てくるような、フルコースメニューを全自動でつくってくれる調理家電の登場も、それほど遠い未来ではないのかもしれない。
(文=千葉雄樹/A4studio)

情報提供はこちら
RANKING
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合