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元メガバンク支店長のお金の話(10月17日)

なぜ年収1000万円でも貧乏?かえって危険?高収入の人が陥る“悲惨な”ワナ

文=菅井敏之/TSネッツ代表取締役
なぜ年収1000万円でも貧乏?かえって危険?高収入の人が陥る“悲惨な”ワナの画像1「Thinkstock」より

 メガバンクの銀行員であった筆者が、お金を貯めようと切実に思ったのは29歳の時でした。世はバブルの真っ最中。当時、大企業を担当していた筆者のところに、就職で人気の花形企業の課長A氏から相談が来ました。

「ゴルフの会員権を買いたいので、500万円貸してほしい」

 借り入れ申し込み用紙に書かれた数字は「年齢40歳、年収1200万円、金融資産0」。年収は極めて高いのですが、飲み会や遊びにお金がどんどんつぎ込まれている様子が借り入れ申込書からも見て取れました。

 同じ日の午後、別の取引先の課長B氏からも相談を受けました。住宅購入資金として2000万円貸してほしいとの依頼でした。借入申込書に書かれた数字は「年齢40歳、年収500万円、金融資産2000万円」。

 A氏とB氏では、年収に2倍以上の開きがあります。それにもかかわらず、貯蓄額はB氏の圧勝。年収の高さが、そのまま貯蓄額につながらないことを実感しました。

 銀行員として、高待遇に浮かれていた当時の自分にとって、この事実はとてもショックでした。「このまま、今の蛇口の閉まらない生活を続けていたら、10年後の自分はA氏と同じようになる」と危機感を抱きました。

●銀行員でも貯金できない人は多い?

「銀行員はお金のプロで、堅実、真面目な人が多く、貯金もしっかりしているはず」と思われる方も多いでしょうが、それは間違いです。

 そもそも、銀行員は家計のプロではありません。投資信託を販売するプロ、お金を貸すプロ、ディーリングを行うプロはいます。しかし、忙しさから家計を奥さんに丸投げしている人も多いのです。真面目で堅実な人は確かに多いですが、家計に関する意識や知識は、一般の会社員とほとんど変わりません。

 筆者も当時は「人より稼いでいるのだから、少しくらいリッチな生活をして当然。お金は、なくなったらまた稼げばいい。今はなくても、どこかで帳尻は合うはずだ」と軽く考え、自分を甘やかし、過大評価していました。偉そうに決算書を分析し「経費かけすぎじゃないですか?」などと、取引相手の経理課長さんに注意していながら、自分の家計に関してはまったく無頓着で、経費が毎月どのぐらいかかっているかも把握していなかったのです。

菅井敏之

菅井敏之

学習院大学卒業後、1983年、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。個人・法人取引およびプロジェクトファイナンス事業に従事し、金沢八景支店・中野支店で支店長を歴任。48歳で退職して起業。現在、6棟のアパートとカフェを経営し、年収7000万円を得ている。

『お金が貯まるのは、どっち!?』 大切なことは、つねに「お金が増える選択」をすること。成功者たちは、銀行も、保険も、住宅も、資産を増やすために、かならず明確な意図をもって選んでいます。その意図さえわかれば、あなただって資産を築くことができる!銀行支店長がこっそり教える、お金を増やす25の法則。 amazon_associate_logo.jpg

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