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小笠原泰「生き残るためには急速に変わらざるを得ない企業」(10月19日)

グローバル化により無意味化進む国家と企業 資本再生産を妨げる、効率の悪い“乗り物”に

文=小笠原泰/明治大学国際日本学部教授

 グローバル化をした企業も、現時点ではどこかに本社を置く必要はあるであろうが、それは、より有利な税制などの選択の結果としての一時的かつ便宜的なことであり、グローバル化適応した企業は、世界で何が起こっているかを見て行動するのであって、本社を置いている国家のことを考えて行動することはない。

 この観点で、日産自動車と異なり日本という国を意識した発言を繰り返すトヨタ自動車が、オペレーションではなく、組織体として真にグローバル化に適応できるかは興味のわくところである。そして、現在のハイパーグローバリゼーションがもたらすBeyond boundary、Acceleration、Leverageは、企業のライフサイクルを短くすることにもなる。
(文=小笠原泰/明治大学国際日本学部教授)

【註1】英語ではIndustrial goodsといい、材料・部品などの「流動資本財」、道具や機械などの「固定資本財」、保守・修繕に用いる「備品・サービス」の3つに分けることができる。
【註2】Donald N. Sull, Revival of the Fittest:Why Good Companies Go Bad and How Great Managers Remake Them, Harvard Business School Press (2003)

小笠原泰/明治大学国際日本学部教授

小笠原泰/明治大学国際日本学部教授

1957年生まれ。東京大学卒、シカゴ大学国際政治経済学・経営学修士。McKinsey&Co.、Volkswagen本社、Cargill本社、同オランダ、イギリス法人勤務を経てNTTデータ研究所へ。同社パートナーを経て2009年より現職。主著に『CNC ネットワーク革命』『日本的改革の探求』『なんとなく日本人』、共著に『日本型イノベーションのすすめ』『2050 老人大国の現実』など。
明治大学 小笠原 泰 OGASAWARA Yasushi

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