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江川紹子の「事件ウオッチ」第15回

検察と証人が“司法取引”で証言を捏造?【美濃加茂市長収賄事件】崩壊する当局の主張

文=江川紹子/ジャーナリスト
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〈検事もかなり怒ってました!!「絶対に、藤井には負けないから! 中林さん、最後まで一緒に戦って下さいね!」と言われました〉

〈藤井弁護団が私の事を悪く言えば言う程、検察は私を守りに入ります。もちろん、これが公判では私に有利に働くでしょうし、検察側からの情状も出て来ることになります。
 ですから、私の弁護士には、マスコミへの反論は極力控えてもらってます。これが実情です(作戦でもあります)〉

 一連の文章からは、検察と中林社長との間で、何らかの取り引きがあった可能性を連想させる。検察側が明示的に取り引きを持ちかけたかどうかは分からないが、少なくとも中林社長の側は、検察に協力することで、自分の裁判が有利になるという確信の元に行動していることが分かる。

 この手紙は、義憤に駆られたAさんが、藤井市長に手紙を出したことから、その存在が発覚した。

 検察側は、中林証言の信用性を揺るがすAさんの陳述書を証拠採用することに猛反対している。ただ、検察側が必死に中林証言を守ろうと懸命になればなるほど、中林証言しかよりどころのない主張の脆弱性が際立ってくる。

 この点について、裁判所の今後の対応が、注目される。
(文=江川紹子/ジャーナリスト)

●江川紹子(えがわ・しょうこ)
東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。著書に『魂の虜囚 オウム事件はなぜ起きたか』『人を助ける仕事』『勇気ってなんだろう』ほか。元厚労省局長・村木厚子さんの『私は負けない「郵便不正事件」はこうして作られた』では取材・構成を担当。クラシック音楽への造詣も深い。
江川紹子ジャーナル www.egawashoko.com、twitter:amneris84、Facebook:shokoeg

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