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福留憲治「とあるマーケ・コンサルの日記」(Vol.1)

日本企業、なぜ新興国市場で苦戦?ブランド確立と最適な商品開発を阻む内部要因

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 ところが日本の大手メーカーの場合、現地法人が単なる販売会社として設計されており、流通に商品を供給し、広告管理をするだけの機能しか有していないことが多いのが実情です。すると現地の市場状況を把握しようにも、そのためのスキルを持ち、現地と日本の違いを的確に説明して報告できる社員もいません。

 また、商品に心理的価値を付加する活動を行おうとしても、本社から評価されるのは年度の売り上げが中心となっているため、それこそ安売りをしてでも多く売り上げを上げようとしてしまいます。これは、ブランド価値向上とは逆行した取り組みといえます。

 そして、特に欧米企業と日本企業を比べると、日本企業は開発機能が日本国内に集中しており、海外との連携も少なく、新興国で市場を理解して開発につなげる機能が弱いのも特徴です。例えば、以下のような特許における他国の研究者との共同出願の割合で見ると、欧米各国では特許の10~20%を占めているのに対し、日本はわずか2.7%(11年度)です。

出典:OECD Patent Database、グラフは産業構造審議会 産業技術分科会・研究開発小委員会 報告書より引用

 これは、かつての日本企業では、言葉や文化の壁もない日本人同士で、問題意識を共有して研究・開発をするほうが効率的な方法だったという経緯があるためです。それが現在、海外売り上げが大きくなっているにもかかわらず、海外ユーザーから離れた日本国内に研究開発機能が偏り、海外市場の声は届きにくくなり、その動向や特徴を正しく理解できない状態になっています。特に新興国の開発拠点は、他国の市場と比べてさらに手薄になっています。

 これらは、心理的付加価値をも追求することを得意としてきた欧米企業と比べると、大きく異なる点です。欧米企業は、もともと先進国として後進国へ展開する事は、日本市場への展開も含めて、長い歴史とノウハウがあるのです。例えばブランド・イメージのコントロールにしても、どういう調査をどこまで現地化して実施するかまで含めてノウハウが蓄積されています。また、開発拠点の海外分散化も進んでいます。

●体制の設計自体に課題

 この体制上の位置づけに関する課題は、多くの日本メーカーに共通している課題です。仮にマーケティング部門やブランド部門がこの課題を理解していても、企業体制そのものの課題であるため、手が付けられないことが多いです。課題解決の方法は個別企業の置かれた状況によって大きく異なります。

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