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ブラック企業アナリスト・新田龍「あの企業の裏側」(11月1日)

オリラジ藤森P居酒屋運営企業へ2億円損害賠償請求 食中毒事件多発、組織的問題点の告発相次ぐ

文=新田 龍/株式会社ヴィベアータ代表取締役、ブラック企業アナリスト
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【事件概要】

 川中商事経営の居酒屋「さくらさくら 新小岩店」において火災が発生。消し止められたものの、同じビル内に入居するパチンコ店が水浸しとなり、遊技台・設備諸々が使用不能となった事件があった。被害総額は2億円超。捜査の結果、同社従業員による火の不始末が原因として当該従業員は逮捕されるが、証拠不十分で不起訴。同社は被害を受けた他のテナントに対して謝罪は行ったものの、「業務時間外の火災だから関係ない」と強弁し、一切の金銭的補償をしていない。

【火災発生以降の経緯】

 12 年3 月25 日(日)午前5 時56分。火災報知機が発報した。出火元は新小岩駅前の雑居ビル3Fで川中商事が経営する居酒屋「さくらさくら」であった。迅速な消火活動により延焼は免れたものの、階下にあるパチンコ店は水浸しとなり、遊技台、設備、内装が使用不能となってしまった。また同ビル4 階にある事務所も、火災の焦げ臭により2 週間以上使用不能となった。翌日、同社の関東営業部エリアマネジャーより謝罪の電話が入り、「ご迷惑をお掛けした、改めてお詫びしたい」との内容が伝えられた。
その翌月、被害を受けたパチンコ店を経営するA社本社に、川中商事の取締役と、「さくらさくら」を運営している子会社の社長が訪れて謝罪した。しかし、火災原因や捜査の状況といった情報はほとんど説明されなかったこともあり、A社側から「詫びるなら(川中商事の)社長が来るべきだ」と伝えた。そしてその翌週になって、川中商事の代表取締役である川中和幸氏らが訪れてきた。謝罪来訪であったが、その時に同社側から伝えられたのは次の内容であった。

・弊社(川中商事)店舗が火災発生場所になっているが、原因は調査中で、第三者による放火の可能性も否定できない
・弊社も今回の火災で多大な被害を受けた。損害保険適用が受けられるかどうかは、火災原因の結果次第
・弊社としては、現時点では法的責任を負うつもりはない

 さらにその翌月、同社代理人の弁護士から「通知」が届いたが、内容は社長訪問時に伝えられたものと同じであった。

【容疑者逮捕~不起訴処分へ】

 火災発生直後から、原因は失火ではなく、放火の線が強いとのことで葛飾署の捜査が行われていたようだ。発生から半年以上経過した同年10 月10 日、放火容疑者Yが逮捕された。Yは同店に勤務していた従業員であった。警察によると、店の出入り口に設置された防犯カメラに、出火直後に店を出ていくYの姿が映っていたという。しかしYは警察の捜査に対し、「店内で酒を飲んでいただけで火なんてつけていない。証拠があるなら見せてみろ」と容疑を否認した。その後12 月18 日、容疑者Yは不起訴処分となった。非現住建造物等放火の容疑で逮捕されたものの、自白が取れず。再度、別件の横領罪で逮捕したが、それでも自白が取れなかったためだ。結果としてA社は、民事での損害賠償請求を起こすこととした。損害賠償額は約2億4000万円。

新田龍/働き方改革総合研究所株式会社代表取締役

新田龍/働き方改革総合研究所株式会社代表取締役

労働環境改善による企業価値向上支援、ビジネスと労務関連のこじれたトラブル解決支援、炎上予防とレピュテーション改善支援を手がける。労働問題・パワハラ・クビ・炎上トラブル解決の専門家。厚生労働省ハラスメント対策企画委員。著書25冊。

Twitter:@nittaryo

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