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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」(11月7日)

15年ヒット商品は?消費動向の前提条件と「ヒットの理論」から“経験的”大胆予想

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役
15年ヒット商品は?消費動向の前提条件と「ヒットの理論」から“経験的”大胆予想の画像1Blu-ray・DVD『アナと雪の女王 MovieNEX』(ウォルト・ディズニー・ジャパン)

●なぜ、翌年のヒット番付予想が当たらないのか?

 11月3日、月刊情報誌「日経トレンディ」(日経BP社)が「2014年ヒット商品ベスト30」を発表した。集計期間である2013年10月~14年9月までに発表された商品やサービスを「売れ行き」「新規性」「影響力」の3項目で総合的に判定し、ヒットの度合いを1~30位までのランキング形式で評価するというものだ。

 1位には興行収入250億円を達成し、『千と千尋の神隠し』(01年)、『タイタニック』(1997年)に続き歴代3位となった映画『アナと雪の女王』、2位には子ども心に火をつけてネットとリアルの融合をうまく図った「妖怪ウォッチ」、3位にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が500億円近くの投資を行った「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」がランクインしている。

 ちなみに昨年11月に発表されていた14年ヒット商品ベスト30予想を振り返ってみると、以下のようになっていた。

・1位:毎日自作サプリスムージー
・2位:ハリーポッター・あべのハルカス・大阪城
・3位:グランピング・ゴルフ

 結果的にはハリーポッターが2位に入っているものの、スムージーとゴルフはランキング圏外となっている。

 では、なぜこのように予想は外れてしまったのか。その理由について、メーカー出身のマーケタ―としての独自の目線で解説したい。

●ヒットの理論

「ヒットの理論」を考える上では、以下のような消費者が商品に対し抱く思い入れとその商品の寿命の相関関係を踏まえておく必要がある。

(1)「まあ~でいい」=なんでもいい
 →市場淘汰され力関係で消滅

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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