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中沢光昭「路地裏の経営雑学」(11月17日)

なぜ日本人は“異常に”お金を使わない?ひたすら貯蓄するワケ データと感情面より考察

文=中沢光昭/経営コンサルタント
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高齢期に備えて大切なのは「貯蓄」?

 内閣府が13年に35-64歳の男女を対象に行った調査「高齢期に向けた『備え』に関する意識調査」には、興味深いデータが表れています。「高齢期に備えて大切だと思う取り組み」について「貯蓄」と答えた人は52.4%でしたが、「自身の世帯の高齢期への経済的な備え」について「十分」もしくは「あると思う」と答えた人は全体の23.3%にとどまりました。

 高齢期における生活費に必要な月額について、「20万円以上」と答えている人が79.3%を占める一方(平均は24.1万円)、高齢期に受け取れると思っている年金額については「20万円未満」と答えている人が61.7%を占めています(平均は17.9万円)。過半数の人が、年金のみでは生活が続かないととらえており、貯蓄を意識していることになります。

 その貯蓄額について、必要だと思う貯蓄額は「1000万円」が19.5%、「2000万円」が19.7%、「3000万円」が19.1%、「5000万円」が6.8%、それ以上が6.5%と、1000万円以上をイメージしている人が71.6%を占めています(平均は2409万円)。それら「備え」に対して「十分にできると思う」および「ある程度できると思う」と答えている人は34.9%に過ぎません。

 その理由については「現在の収入が少なく将来のことを考える余裕がない」と答える人が71.4%とトップを占め、2位の「公的年金など社会保障の仕組みが分からないから」の31.2%を大きく引き離しています。ちなみに、現在の貯蓄額が1000万円以下である人は60.5%を占めています。貯蓄が必要だとは思うものの、現実的な収入の問題などで、なかなか目標に達していないということがいえます。

 さらに興味深いのは、貯蓄額が多い人ほど「必要だと意識する貯蓄額」が多くなる傾向があることです。1000~1500万円貯蓄がある人の65.1%が、2000万円以上を希望しています(平均希望額は2453万円)。同様に2000~2500万円の人の45.9%が3000万円以上を(同2807万円)、3000万円以上貯蓄している人の44.2%が5000万円以上を(同4172万円)それぞれ希望しています。つまり、お金をいくら持っていても、「もっと欲しい」と思う傾向が見えます。

●「いざ」という時の備えを重視

 また、72.3%の人が高齢期の健康に対して不安を抱いていますが、不安の理由としては「十分な休養が取れない」「仕事のために不規則な生活を送っている」などを抑えて、「医療費がいくらかかるかわからない」(25.3%)がトップとなっています。健康もお金の問題だととらえられていることがうかがえます。

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