検査や採卵、卵子の保管にかかるコストは約70~80万円。ちなみに、海外では1回100万円を下らないという。バンクを開設してまだ1年半のため、実際に出産にいたったケースはないが、数十人が登録している。中堅層の会社員(プロジェクトリーダーや管理職者)、医師、看護師などの有資格者や専門職の女性が目立つそうだ。仕事と家庭を両立させたい思いの強さが伺える。

「以前別のバンクで関わった症例には、39歳で医師を志望し医学部に合格した女性が、卒業まで妊娠ができないため、卵子を凍結したケースもありました」(桑山氏)

 また、桑山氏は、将来的に卵子そのものを若返らせる技術の開発を目指している。

「卵子は細胞質と核とでできていますが、加齢によって劣化するのは細胞質のほうです。遺伝情報が刻まれた核は老化しません。ですから、核を残したまま細胞質を取り替える技術を実現できれば、卵子の若返りは可能なわけです」(同)

 仮に実現すれば、女性の働き方は大きく変わるかもしれない。生殖医療の技術は、日進月歩で進んでいる。
(文=編集部)

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