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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!第4回

自己啓発難民を量産する「思えば叶う」の欺瞞 嘘まみれの成功者達の物語、ノウハウの毒

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 ビジネスで成功した人たちにも、このような傾向が多く見られた。ビジネスの成功は、かなりの部分が偶然で成り立っている。たまたま時期が良かった、たまたま良い人と巡り会った、たまたま商品が当たった、ということの集積でビジネスが大きく成功するケースのほうが多いのである。

 しかし、それを正直に語る成功者はほとんどいない。「この未来を信じていた」という話をされるケースが多い。これは意図的に嘘をつこうとしているのではない。人間心理として避けようがない後知恵バイアスによって、自分が行ってきたことをより良く見せ、都合良く物語化してしまうのだ。

 うまくいった現在から過去を見るため、出来事を都合良く解釈し、最初から現在の結果が“見えていた”かのようにストーリーを語るようになる。これが、ドミナントストーリーである。

 多くの成功者が、成功することが最初からわかっていたかのようなドミナントストーリーを語ることで、「思えば叶う」というマインド万能論の裏付けとなり、多くの人に支持されてきたというのが、成功哲学の真実である。「思う」だけでは、なかなかうまくいかないのは当然である。成功者の現実とは異なるのだ。

●行動する人が成功者になる

 では成功者の現実とはなんだろうか。それは、小さな行動を繰り返してきた、ということだ。うまくいくまで、行動に次ぐ行動を繰り返している。だから失敗も多い。しかしひとたび成功してしまうと、失敗を語ることがなくなり、そのうちに記憶も薄らいでいく。逆に、都合の良い記憶の書き換え(フォールメモリー現象)が起きていく。そして成功までスムーズに来たかのような錯覚に陥るのだ。これは成功者だけではなく、ほとんどの人が陥る人間の性のようなものである。

 筆者が実際に取材し分析したところでは、成功者は「行動すること」に取り憑かれており、「心に夢を描く」よりも先に、行動を優先する傾向が強かった。それはなぜか。「好き」だからである。

 人は好きなことに対して、行動したい衝動が自然に湧き上がるものである。2013年6月30日付当サイト記事『自己啓発ビジネスの餌食になる人々…夢実現のために、能力や資格より大切なこととは?』において、「夢を語る人」を3つのタイプで解説した。
 
 3つのタイプの中で、確実に夢を実現するのは「恋愛タイプ」だけである。3つのタイプについては、以下にあらためて列挙してみよう。

(1)逃避タイプ…現状から逃げるために「夢」を口実にするタイプ。「サラリーマンが嫌だから独立したい」と言う人に多い。起業塾のような勉強会やビジネススクールに参加している人にこのタイプが多く、起業の勉強をし続けても会社を辞めることはない。口から出てくる言葉は常に現状への不満であり、そこから逃避したいという願望のみだ。

(2)錯覚タイプ…「ホテルのオーナーになりたい」というような漠然と大きな夢を抱き続けているが、毎日ほとんど何も行動しない。これは自己啓発セミナーの急増とリンクしている。「夢を大きく持ちましょう」「絶対に実現します」などと煽られ、その場の雰囲気で夢を設定してしまった人が、このタイプに陥りやすい。このタイプは自己啓発ビジネスの良いお客さんである。

(3)恋愛タイプ…夢を実現するのはこのタイプ。1つのことで頭がいっぱいで、24時間頭から離れることなく、それに向かって毎日行動せずにはいられない状態の人。まるで熱烈な恋愛をしているように、夢に夢中になって苦労や逆境も乗り越えていく。このタイプに、「今日、何をしましたか?」と聞けば、とめどもなく“やったこと”が出てくる。

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