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これは経済学的にいうと、どういうことになるのか。
このようなやり方は、経済学的にいうと「供給曲線をシフトさせる取り組み」ということになる。簡単に言えば、供給側、つまり売人の数が減ってドラッグを手に入りにくくさせる方法で、アメリカの麻薬対策は基本的にこの手法をとっている。日本の警察は、それと同じことを危険ドラッグに対して取り組んでいることになる。
しかし、このやり方には重大な欠点がある。
需要側の需要曲線が縦に近い形に立っているドラッグのような商品の場合、売人の数が減ると末端価格が大きく上がってしまう。図で言えば均衡点の縦軸の価格×横軸の数量が「危険ドラッグの業界」の売上高ということになるが、供給側である売人を叩くと、結果として業界の売上高が増えてしまうのだ。
実際、アメリカの麻薬撲滅の取り組みがうまくいっていない理由は、麻薬販売組織を叩けば叩くほど生き残った販売組織の利益が激増するため、裏組織はリスクをとって麻薬の販売を続けようとする。ここにアメリカ型の麻薬対策の問題点がある。
●市場拡大は「収まらない」
日本をはじめとしてアジアの各国では、麻薬に対するもっと簡単な対策を打ち出してきた。それは麻薬を所持する者への厳罰化だ。日本の法律でも麻薬や覚せい剤の所持に対しては重い刑罰が待っているが、中国やシンガポール、マレーシアといった国々の場合はさらに厳罰で、ある程度以上の量を所持していると死刑になる(量にかかわらず、持っていただけで死刑という国もある)。
このような厳罰化の取り組みは、経済学的にいうとどのような影響を及ぼすのかというのを示したのが図3だ。
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