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碓井広義「ひとことでは言えない」(12月19日)

あの面白CMは、何が「面白い」のか サントリー・ボス、日清カップヌードル…

文=碓井広義/上智大学教授
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視聴率と呼ばれる尺度が重視され、評価も決まる」

 これもその通り。

「ただ、(テレビが)あるとついつい見てしまう」

 本当にそうだ。さらに、

「この惑星のテレビは、缶コーヒーとどこか似ている」

と言われて、思わずニヤリである。トミー・リー・ジョーンズ主演の『宇宙人ジョーンズ』シリーズ。今回は出入りの花屋さんに扮して、テレビの裏側を見つめている。

 出演者用のカンニングペーパー(カンペ)を書きかけのまま、長椅子で寝てしまったアシスタント・ディレクターも実にリアルでおかしい。どんな番組も、それを支えているのは人だ。出る人、つくる人の思いやエネルギーが、見る人の気持ちを動かす。

 流れては消えていくテレビだからこそ、もっと本気で伝えるべきだし、もっと真剣に遊ぶべきなのだ。宇宙人ジョーンズも、どこかで見守っている。 

●大和ハウス工業『太陽を集めた男編』

 長谷川和彦監督『太陽を盗んだ男』の公開は1979年だ。沢田研二演じる中学の理科教師が茨城県東海村の原子力発電所に侵入し、液体プルトニウムを強奪。自家製の原子爆弾で、政府にローリング・ストーンズ日本公演の開催を迫ったりする。際どい内容は奇想天外にして痛快、さらに苦味も効いた秀作だった。

 あれから35年。太陽は盗むものから集めるものへと変わったようだ。このCMは、まるでサスペンス映画のような緊迫感にあふれている。謎の男・松坂桃李が乗った真っ赤なランボルギーニ・カウンタックを無数のパトカーが追跡するシーンなど、明らかに『太陽を盗んだ男』へのオマージュだ。ならば役所広司が扮する刑事は、かつての菅原文太か。

 実は松坂が目指しているのはメガソーラー(大規模太陽光発電)事業だった。「この国を変えてしまうような何か」という役所の言葉も決してオーバーではない。

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17:30更新
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