NEW

【現地ルポ】タイで不動産バブル?日本企業殺到で不動産高騰の街 値崩れの不安材料も

文=編集部
【この記事のキーワード】, , ,

 シラチャー中心部の不動産価格は、最近5年ほどの間に約3倍に上昇した。タイでは外国人が土地を購入することはできないが、建築済みのマンションの部屋単位では購入が可能なため、日本人が購入するケースも多くなっている。

 現地の不動産業者に、現在建築予定の物件についてセールスポイントを聞いた。

「部屋を購入して賃貸で運用する場合、日本人に貸せば表面利回りで12%以上が期待できますから、投資としても非常に魅力的です。今後、日本人駐在員はますます増えると見込まれており、需要はさらに拡大して、価格も上がるはずです。購入するなら今です」

●専門家からは危険性の指摘も

 しかしシラチャーは中心部でも交通事情、道路事情ともに悪く、町自体も非常に小規模なものだ。このような状況で、本当に不動産バブルは今後も続くのだろうか?

 不動産エージェントなどからは、販売側に都合の良い情報ばかりが出されている。そこで現地で不動産調査サービスを提供しているAsia Investment Support(AIS)に話を聞いた。

「シラチャーでは日本企業の進出が加速していることに加えて、タイ国内に2つしかない日本人学校のうちバンコク校が受け入れ上限に達したために、シラチャー校へ生徒の移転が進んでいます。そのような状況を受けて、今後はさらにシラチャーに日本人駐在員が増加するといわれ、不動産投資が過熱しています。

 注意しないといけないのは、シラチャーは将来性に不安が大きい点です。まず、観光などの産業は非常に小さく、現状の需要は工業団地で働く日本人駐在員の住宅需要にのみ支えられています。日本人以外の外国人需要もありません。この需要が、なにがしかの理由で打撃を受ければ、将来の見通しは急に暗いものになる不安定な状況にあります。

 加えて、町の中心部は道路整備なども進んでおらず、渋滞も慢性化してきています。現在開発されているコンドミニアムが完成し、車の量がさらに増加すれば中心部道路状況はさらに悪化してしまい、居住環境は劣悪になると予想されます。また、日本人駐在員の人数は確かに増加しており今後も増加は見込まれているものの、20~30代の若い人が中心です。今後、奥様やお子様と一緒に快適に暮らせる居住環境が求められるように変わる可能性もありますし、進出してくる企業によっては従業員の家賃手当などの相場が変わることも考えられます。また、駐在員の世代が変われば、同じ企業の日本人同士で小さな町に住むことを好まない人も増えてくるでしょう。このような駐在員の変化を踏まえ、現状の延長線上とは違った将来予測をして相場を設計しなければいけません。

 しかし、シラチャーでは地主など、日本企業の状況についてあまり詳しくない人たちが中心となってコンドミニアム開発をしていることが多くなっています。その結果、予想される変化に合っていない開発計画が乱立し、バブルが先行している状態にあるように見受けられます」(AIS担当者)

 不動産バブルに沸くシラチャーの不動産投資には、どのようなリスクがあるのだろうか?

「シラチャーに投資をする際には、エージェントなどの売り手側の情報だけでなく、多様な情報を可能な限り多く自身で集め、将来の冷静な予測を踏まえて、慎重に判断をされることが必要です。シラチャー周辺でも、今後少なくとも3~5年先の質的な変化を考えて開発されているプロジェクトなども出てきています。これらは長期的な投資スタンスが必要になりますが、収益性にも期待ができる内容です。他にも、小規模ながら出物と言えるものもあります。個別に案件を見極めて投資をすることで、本当に魅力的な投資ができるのではないでしょうか」

 日本企業の生産拠点で沸く不動産バブル。その行方に注目したい。
(文=編集部)

※取材協力:AIS(Asia Investment Support) 同社では、タイなど東南アジアの特選不動産情報などをウェブでも配信している(http://www.asiainvestmentsupport.com/

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

ニュースサイト「Business Journal」

情報提供はこちら

RANKING

11:30更新
  • ジャーナリズム
  • ビジネス
  • 総合