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演説力以上に山本氏には突出したスキルがある。それがマスコミをコントロールする技術だ。それは自身のスキャンダルを揉み消すときに本領発揮された。
山本氏は12年に脱原発運動中に知り合った女性と交際1カ月で電撃結婚しているが、この情報を真っ先にキャッチしたのは「週刊新潮」(新潮社)だった。「新潮」は関係者への取材を進め、発売日直前には山本氏本人に直撃取材を行った。「新潮」の発売日は毎週木曜日。印刷・配送などの時間を逆算すれば、原稿の締め切りは火曜日。ところが、「新潮」が突き止めた電撃結婚を「新潮」発売の2日前に当たる5月30日に東京スポーツが出し抜き、「新潮」のスクープは幻になる。
この1件だけであれば東京スポーツのスクープは偶然だったとも思われるが、不可解な現象は再び起きる。13年8月、晴れて参院選で当選した山本氏を再び「新潮」の取材班が襲う。
実は、山本氏は電撃結婚していた妻とはわずか3カ月半で離婚していた。それだけではなく、その後に知り合った別の女性と参院選直前に“デキちゃった再婚”をしていたのである。その情報を「新潮」が掴み取材を進めたが、またしても発売2日前の8月6日に東京スポーツが同じ内容の記事を掲載。「新潮」は2度にわたって単独スクープを潰されたのである。
●巧妙な危機回避術
一連の山本氏の行動について、週刊誌記者は次のように解説する。
「週刊誌は取材の最後にターゲットとする人物本人にアテ取材を行うので、発売前に本人や事務所がどんな取材をされているのかを把握することができます。『新潮』は小渕優子前経済産業大臣のクビを取ったように、執拗な取材をする。一方、東スポはスキャンダル記事が載っても、読者はネタとしか思わない。失礼ながら、永田町でも本気にはされない。山本氏サイドは『新潮』にアテられて危機を察し、機先を制そうと自ら東スポにリークしたとみられています。そうすれば『新潮』のスクープを潰すことができます。東スポにスキャンダルを取り上げられても、政治生命が脅かされるような事態には発展しませんからね」
東スポが最初に取り上げることで、「新潮」スクープは霞む。さしずめ、大火事になりそうなスキャンダルを自ら東スポーツにリークしてボヤで済ませたといったところだろうか。山本氏の巧妙な危機回避術である。