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外食、低価格メニュー消滅か…客離れ深刻なマックとワタミ、店員離れ深刻なすき家

文=編集部
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【既存店売上高の前年同月比】(単位%、▲はマイナス)

※以下、店名:2014年4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月
すき家:▲1.4、8.1、4.3、7.0、5.8、6.6、3.3、1.4
マクドナルド:▲3.4、▲2.4、▲8.0、▲17.4、▲25.1、▲16.6、▲17.3、▲12.3
和民:▲3.6、▲4.1、▲12.8、▲10.1、▲7.3、▲6.3、▲3.2、▲5.3

●日本マクドナルドHDの株価は堅調

 では、投資家の評価はどうか。過去10年間の株価の高値と14年の安値を比較して下落率を算出してみると、下落率が最も大きかったのはワタミ。高値2575円(08年12月8日)から安値1140円(14年12月9日)へ、下落率は55.7%と半値以下になった。

 ゼンショーHDは高値2005円(05年12月29日) から安値906円(14年8月7日)へ、下落率は54.8%。既存店売り上げは前年を上回っているにもかかわらず、株価は上がらない。創業者の小川賢太郎会長兼社長が究極の効率経営として編み出したワンオペを柱に据えたビジネスモデルが、壁にぶち当たったと判断されたことも要因のひとつである。

 一方、日本マクドナルドHDは高値2965円(14年6月10日)から安値2501円(14年2月6日)へと、下落率は15.6%にとどまった。既存店売り上げの記録的な落ち込みが、株価にはそれほど影響を与えていない。むしろ、原田泳幸会長兼社長時代より株価は上がっている。04年にトップに就任以来、既存店の売り上げを伸ばしてきた手法は“原田マジック”と呼ばれたが、この頃よりも既存店の売り上げが低迷している今のほうが株価は高い。裏を返せば、原田氏の経営手法を市場はさほど評価していなかったということになる。原田氏が通信教育のベネッセコーポーレーション社長に転身してから、株価は10年来の高値を更新した。

●牛丼の低価格戦争終焉

 デフレの象徴といわれた牛丼業界の低価格競争は、急激な円安で材料費が高騰したことと人件費のアップで終焉を迎えた。吉野家は「牛丼(並盛り)」の価格を300円から380円に大幅に引き上げた。今年4月に消費増税にあわせ280円から300円に上げており、値上げは昨年2回に及んだ。吉野家が使う米国産バラ肉「ショートプレート」の価格が上昇しており、「企業努力だけで食材コストの上昇分を吸収することが困難になった」としている。すでに競合の松屋は7月、通常の「牛めし」より90円高い「プレミアム牛めし」を売り出した。すき家も価格改定を検討している。

 牛丼業界は、つい最近まで200円台の低価格競争を繰り広げてきたが、急激な円安による食材価格の高騰と人手不足による人件費の上昇で、戦略転換を迫られた。牛丼は低価格の看板を下ろした。そして牛丼のみならず、200円台で食べられる外食メニューはことごとく姿を消すことになる。
(文=編集部)

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