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氾濫するプレミアム商品は、本当にプレミアムか?合理的根拠欠如、作り手への信頼低下も

文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表
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●商品イメージ悪化の恐れも

 客が商品購入の判断するための自軸をつくるためには、まず情報を集める必要があります。情報は新聞、テレビなどのマスコミ情報、企業のHPなどの企業情報、ツイッター、ブログ等のインターネット上から情報を得て、購入する判断を行います。

 最近では、テレビを見ない人、もしくは録画で見てCMをスキップする人、新聞を購読しない人が増えてきています。企業のHPも、情報は参考にしても鵜呑みにはしなくなってきています。逆に、たとえばフェイスブック上で有名人が「あのシュークリームは美味しかった」などと写真とともに感想をアップすると、売れすぎて欠品する場合も出てきます。「プレミアム」と単純に名前を付けるのではなく、客が購入する理由、欲しくて欲しくてたまらなくなるようなプロモーションが必要なのです。

 チラシなどで「プレミアムシュークリーム」と謳い、初めての客に購入を勧め、食べた人が「美味しい」と感じ、再び購入されるような商品でなければならないのです。本当の価値のある商品、客が満足感を得た商品であれば、その客が商品にほれ込み、他人に商品を勧めてくれるはずです。しかし、名前だけの「プレミアム」商品であれば、インターネット上で「名前だけプレミアムでがっかりした」というコメントが拡散されてしまいます。

 繰り返しになりますが、作り手側、供給側は「プレミアムという表現の定義は法律で定められていない」と開き直るのではなく、「プレミアム」と謳う根拠を客観的・合理的に説明できる必要があります。

 そして消費者側は、「プレミアム商品」で満足しなかった場合は、「プレミアム」と謳う理由をぜひ、作り手側や供給側に質問してみてください。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表) 

●河岸宏和
食品安全教育研究所代表。1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。 毎年、100カ所以上の食品工場点検、教育を行っている。

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「食品工場の工場長の仕事とは」

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【著書】 
『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます』『スーパーの裏側 安全でおいしい食品を選ぶために』『放射能汚染食品、これが専門家8人の食べ方、選び方』(以上、東洋経済新報社)、『日本の農業は風評被害に負けない』『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』(共にアスキー・メディアワークス)、『ビジュアル図解 食品工場の点検と監査 』『ビジュアル図解 食品工場の品質管理』『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』(以上、同文舘出版)、『図解入門ビジネス 最新食品工場の衛生と危機管理がよ~くわかる本』『食品販売の衛生と危機管理がよ~くわかる本』(共に秀和システム)

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