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新井庸志「マーケティングを知れば世の中がわかる」(1月22日)

ディズニーランド、「夢の国」に「現実」取り入れ“安売り”開始か ブランド低下の懸念も

文=新井庸志/株式会社ホワイトナイト代表、マーケティングコンサルタント

 ところが、これらの展開が失敗だった。なだ万の料理が手軽に食べられるということで、料亭とは縁のなかった人が茶寮や厨房に走った。売り上げ自体は上がるのだが、なだ万自体のブランド力は低くなってしまった。なぜなら茶寮や厨房を選ぶ人が料亭に行くことはない。その一方、今まで料亭に行っていた顧客からすれば茶寮や厨房を展開されるということは、これまで愛用していた料亭のブランドを低下させられることになる。しかも筆者の感覚では、料亭と茶寮、厨房では味がまったく違う。つまり、なだ万というブランドを磨り減らして使いながら、茶寮や厨房を展開してきたのだ。最終的には経営に行き詰まり、アサヒビールに買収されてしまった。

●総括

 もちろん、ディズニーランドの魅力は「夢の世界」というコンセプトだけではない。キャストと呼ばれるスタッフのホスピタリティも大きな魅力だ。その意味では、アミューズメントパークとしてのディズニーランドの王座はまったく揺るぎないものだろう。ただ、今回の「アナ雪」のように「夢の世界」に「現実」を入れるプロモーションは、できればやるべきではない。このようなプロモーションを続ければ、徐々にブランド価値の重要な部分が毀損してしまう。そして結果的に客離れが起きるのだ。

 不況下においても、世界観を守りつつ、業績を向上させ続けてきたディズニーランド。その世界観づくりは、世界のディズニーランドの中でもトップクラスだろう。適切なマーケティング戦略を遂行してきた彼らならば、今回のようなことは今後やらないとは思うのだが、注目してみていきたい。
(文=新井庸志/株式会社ホワイトナイト代表、マーケティングコンサルタント)

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