今年1月16日の終値(1万6864円)を基準に試算してみよう。日経225の対象の全銘柄がここから20%上昇すると、日経平均は3373円の上昇になり、晴れて2万円の大台に乗る。

 しかし、これは現実的ではないだろう。なぜなら、銘柄によって、置かれている事業環境や株価の習性が大きく異なるからだ。一般的に、円安は企業にとって増益要因であり株価の上昇につながると見られがちだが、その逆となる業種も少なくない。金利の上下動も同様だ。

 また、日頃から派手な値動きをする銘柄もあれば、ほぼ同じゾーンで往来する銘柄もある。特に日経225の対象となっている銘柄には鉄鋼、鉄道、繊維、化学といった重厚長大企業が多く含まれており、この種の銘柄は発行済み株式数が膨大なため株価の振れ幅は乏しい。

 そういった要因を踏まえると、日経平均が2万円の大台に到達するには、株価水準が高く、日経平均への影響も大きい値がさ株が上伸することが条件になるだろう。では、ユニクロを展開するファーストリテイリングをはじめ、影響力が大きい上位10銘柄を用いて試算してみよう。

 まず、この10銘柄以外で日経225の対象となっている215銘柄が10%上昇した(日経平均は1111円の上昇)と仮定する。そして、さらに影響力の大きい10銘柄が30%上昇(同じく1728円の上昇)したとすると、日経平均は1万9703円になる。実際は、値がさ株が上伸しても2万円に届かせるのは難しいのだ。

 以下は日経平均への影響力の大きい10銘柄が30%上昇した時の株価と、各社の今期業績予想に基づく株価収益率(PER)だが、10社中6社の株価が5桁に達し、9社平均のPERは約30倍にもなる(1月16日の終値ベース)。

(1)ファーストリテイリング(株価5万3781円/PER57.1倍)
(2)ソフトバンク(同8886円/同17.8倍)
(3)ファナック(同2万4745円/同32.0倍)
(4)KDDI(同1万241円/同21.7倍)
(5)京セラ(同6701円/同26.1倍)
(6)アステラス製薬(同2万267円/同36.7倍)
(7)東京エレクトロン(同1万741円/最終赤字予想のため算出できす)
(8)ダイキン工業(同1万37円/同26.0倍)
(9)信越化学工業(同9937円/同35.8倍)
(10)トヨタ自動車(同9768円/同16.6倍)

 しかしながら、見てきたように日経平均の2万円到達はかなり高いハードルであり、仮に乗ったとしても維持するのは至難の業になるだろう。
(文=島野清志/評論家)

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