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日向咲嗣『「無知税」回避術 可処分所得が倍増するお金の常識と盲点』第9回

首都圏の超激安2LDKマンション、こんなにオトク?購入は100万台、賃貸は月3万台…

文=日向咲嗣/フリーライター
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●賃貸との比較

 さて最後に、この物件を人に貸した場合、いくらの家賃を取れるか計算してみる。キャピタルゲインが期待できない時代の資産価値は、投資物件としての収益性が重視されるわけだが、この点こそがこの物件の最大のアキレス腱なのだ。

 実は同じ団地内に、ほぼ同じ向き・間取りのUR賃貸物件が多数散在しており、その最安家賃は、なんと4万円なのである。UR物件ゆえに、初期費用は敷金のみ。礼金、更新料、仲介手数料、保証料すべてなしの上、該当物件には1カ月のフリーレントまでついている。

 首都圏でもいち早く人口減少が始まった千葉県では、賃貸住宅オーナー間の激しい価格競争がすでに始まっていて、千葉市内の60平米超のファミリー向けマンションの最安家賃が4万円台に突入するという異常事態が起きているのだ。

 かつて殿様商売だったUR賃貸が、いまやそうした激しい競争に打ち勝つべく対策を講じているため、驚くべき家賃を実現させている。

 例えば、29歳以下の人が名義人の場合、家賃が最大で1万円引きになる「U29割。」(ただし更新なしの定期借家3年契約)や、子育て世帯には最大6年間にわたって家賃を2割減額してくれる「子育て割。」など、携帯電話と見間違うような割引プランが用意されている。

実際に「U29割。」が適用されると、千葉市内の45平米3Kで5階の同種物件が家賃共益費込みで3万6400円まで下がる。「子育て割。」が適用された場合も、団地内同種物件で、共益費込みで3万5900円までダウンする。

 マンションを購入した場合、管理費と修繕積立金を毎月2万円程度、固定資産税を年間5万円前後負担しなければならない。そうであれば、3万円台で同条件の部屋を借りたほうがオトクなのは、もはやあらためて言うまでもない。年間10万円程度の収益を得るために、200万円近くも元本保証が一切ないところに投資するのは、到底割に合わない。

 というわけで、この損得対決、賃貸の圧勝というのが結論である。

 賃貸住宅の「激安台風」は、まだ首都ドーナッツ圏の外周付近で発生したばかりだが、今後は、勢力を維持したまま、都心部のドーナッツ中心へと少しずつ接近して猛威を振るうことが予想される。大家も店子も、その時のために今から備えておくべきだろう。
(文=日向咲嗣/フリーライター)

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