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拡大するオンライン英会話市場 1レッスン100円台、早朝~深夜まで、超優秀な講師陣

文=編集部
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拡大するオンライン英会話市場 1レッスン100円台、早朝~深夜まで、超優秀な講師陣の画像1レアジョブの加藤智久社長

 2020年の東京オリンピック開催を前に、英会話熱が再び高まりそうな気配だ。一昔前、海外旅行の一般化や企業の海外進出を機に英会話がブームになり、大手英会話スクールは広告や設備に巨額の資金を投じてビジネスを展開していた。しかし、いつしかブームは沈静化し、数多くの教室を開いていた英会話スクールが経営破綻に追いやられるケースも少なくなかった。

 そんな日本の英会話ビジネスが、新たなステージに進もうとしている。主役は、パソコンやタブレット、スマートフォン(スマホ)などを活用したオンライン英会話だ。より正確にいえば、インターネット電話サービスのスカイプを利用したマンツーマン方式の英会話サービスである。

 昨年9月に発表された矢野経済研究所の「語学ビジネス市場に関する調査結果 2014」によると、13年度の語学ビジネスの市場規模は前年度比3.1%増の8089億円だ。そのうち、従来型の語学スクールは3327億円、オンライン型のeラーニングは65億円である。14年度予測は市場規模が8259億円(前年度比2.1%増)で、語学スクールが3440億円、eラーニングが72億円とされており、eラーニングは徐々にではあるが拡大傾向にある。

 その背景には、企業のグローバル化の進展、訪日外国人観光客急増への対応、東京オリンピック開催への準備などがある。文部科学省が小学校での英語教育本格化に乗り出していることも追い風になっているだろう。

 こういった中で普及し始めているのが、オンライン英会話である。今、インターネット上には「1レッスン○○○円~」「毎日話せて月○○○○円」といった、スカイプ利用によるライブレッスンの広告が氾濫している。従来型の英会話スクールでは授業料が年間数十万円かかっていたが、それを大幅に減らせるというのが売りだ。さらに、自宅にいながらマンツーマンのレッスンを受けることができるという利便性も魅力になっている。

 仕事の合間に大学の公開講座に通った経験のある筆者としてみれば、「こういったサービスがもっと早く欲しかった」と思わざるを得ない。

業界トップの会員登録数を誇るレアジョブ

 このオンライン英会話サービスでは、ユーザー数が27万人を突破したレアジョブが最大手である。

 昨年6月に東京証券取引所マザーズに上場した同社を創業したのは、現在34歳の加藤智久代表取締役社長だ。加藤氏は一橋大学商学部を卒業後に外資系コンサルティング会社を経て、07年10月に同社を設立した。そして、スカイプを利用してフィリピン人講師とのマンツーマン英会話を格安料金で提供するというビジネスモデルで、業界に新風を吹き込んだのだ。

 同社のユーザー数は12年1月に10万人、13年10月に20万人、14年12月時点で27万人に達している。また、講師数は約4000人、提供レッスン数は1日当たり1万4000回だ。オンライン英会話の特色について、業界関係者は以下のように語る。

「なんといっても、利便性と低価格が特徴です。パソコン、タブレット、スマホなど、スカイプを利用できる端末さえあれば、いつでもどこでも好きな時にマンツーマン方式のレッスンを受けることができます。教室運営などのコストがかからないため、費用は1レッスン100円台という低価格になっている点も魅力です。CD教材を利用した英会話との違いは、マンツーマンでレッスンを受けられる点でしょう。講師と二人三脚なので、モチベーションが維持される点が大きいと思います」

「会社四季報2015年1集・新春号」(東洋経済新報社)によると、レアジョブの15年3月期の売り上げ予想は23億円、最終利益は1億円となっており、配当はずっとゼロである。

 レアジョブでは、早朝6時から深夜1時までレッスンを受講することができる。最も人気がある「毎日25分プラン」の場合、1カ月の料金は税別5800円だ。では、フィリピン人講師の質はどうなのか、担当者に聞いてみた。

「“フィリピンの東大”といわれるフィリピン大学の在学生と卒業生が講師の40%を占めています。採用に当たっては厳格な基準を設けており、採用率は4%と狭き門です。専門的な学識のある講師が多いため、『エンジニアリングの話をしたい』『マーケティングについて話したい』といった専門的なレッスンにも対応が可能です」

 アメリカの英会話学習ソフト会社・グローバルイングリッシュが発表した「ビジネス英語指数」(英語を母語としない国のビジネス英語能力)の13年度版によると、フィリピンは世界で最もビジネス英語能力が高い国とされている(2位ノルウェー、3位オランダで、日本は50位)。

「利便性」「低価格」「高品質」――。レアジョブをはじめとするオンライン英会話業界は、この三位一体のビジネスモデルで新規の英会話需要を取り込もうとしている。

無料レッスンを実際に体験

 筆者はそもそもスカイプを使ったことすらなかったが、レアジョブでアカウントを設定して無料体験レッスンを申し込んでみた。サイト上で初級コースの講師紹介を眺め、優しそうな女性講師を選んで予約した。

 簡単な自己紹介の後、サイトからプリントアウトした初級用のテキストを使い、25分間のレッスンが始まった。パソコンの画面には講師の姿が映っているため、まさにマンツーマンで指導を受けているという臨場感と緊張感がある。画面上のビジネスウーマンと対峙し、初対面のあいさつを行うトレーニングの際は、なかなか言葉が出てこなくて戸惑った。

 その後は、講師に続いてテキストの文章を読み上げるなどしてレッスンが終わったが、25分間は意外と早く感じた。看護学の修士課程を卒業しているという20代女性講師の英語は流暢で聞き取りやすく、教え方も丁寧だった。なにより、25分の間に「グッジョブ!」と何度も褒めてくれるので、ついうれしくなってレッスンにのめり込んだ。

 東京オリンピックの開催が決定した後、レアジョブにはホテルやアパレルなどサービス業界からの問い合わせが増えており、法人向けサービスの導入企業は350社に達しているという。今後も、同社のサービスおよびオンライン英会話が勢いを増していくことは間違いなさそうだ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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