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ルディー和子「マーケティングの深層と真相」(2月16日)

アマゾン、無料配送はなくなるのか?小売業、アマゾンとの死闘で膨大なムダ排除&利益向上

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 アマゾンが利益も出さないのに積極投資を続けることができたのは、株価が高かったからだ。つまり、投資家たちがアマゾンの将来性を信じてついてきたことにある。「アマゾンは消費者利益のために投資家たちによって支えられている慈善団体だ」と揶揄したアナリストもいるくらいだ。だが、そんな投資家たちも20年間大して利益を出さない状況にはしびれを切らしているようで、14年に入ったころから株価も下がる傾向がみられる。

 アマゾンは、クラウドコンピューティングサービスや広告など他の収入が成長しているとはいえ、無料配送を続けていて利益が増大する見込みはあるのだろうか? フェイスブックやグーグルはアクセス客が増えても、それに合わせてサービス提供費用が相関関係的に増えるわけではない。しかし、アマゾンの配送経費はプライム会員が増えれば増えるほど相関関係的に増える。どこまでいっても、いたちごっこだ。そもそも、90年代後半にネット関連サービス企業が登場するとともに「無料」が当然のような風潮になってはいるが、この風潮は10年後も続いているだろうか? 言葉を換えていえば、無料のビジネスモデルは10年後も存続しているだろうか? 欧州では、フランスのようにアマゾンの無料配送を法律で禁止した国もある。また、グーグルやフェイスブックのように個人データに基づいて広告収入を上げるビジネスモデルへの反対も根強くある。

 筆者は、10年後に送料無料サービスがなくなっていたとしても驚かない。なぜなら、どの企業もやりたくないことを、アマゾン1社に引っ張られて仕方なくやっているだけだからだ。そのアマゾンが今後10年間、これまでの20年間と同じように利益を出さずに投資家を魅了し続けていられるとは思わない。株価が下がれば、配送料を有料化せざるを得なくなるだろう。また、消費者もタダでサービスが受けられるのに慣れてしまうことはよくない。タダより高いものはないのだ。結局、どこかで支払っていると認識すべきであり、どこで支払っているのかが明確になっていたほうがいい。
(文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学教授)

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