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円安で国内生産回帰の幻想 トヨタ社長「そういう考えはない」、キヤノンは無人工場

文=編集部
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●為替の影響を受けない「地産地消」

 円安によって国内生産を増やす動きは相次ぐものの、大型の設備投資を伴う国内回帰が本格的に進む可能性は低いとみられている。トヨタ自動車の豊田章男社長は、生産の国内回帰について「我々にそういう考えはない」と語り、九州で生産している高級車レクサスの一部を今夏以降、米国工場に移す計画に変更はないと明言した。米国で発売する自動車は米国で生産する方針だ。

 キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長は、生産の国内回帰を進める理由について「生産現場の人材の質は日本が圧倒的に高い」と指摘している。同社は円安になる前から、新製品の国内生産にこだわってきた。人件費に影響されにくい、ロボット主体の無人工場のノウハウがあるからだ。

 製造業の製造コストに占める人件費の割合は、25%程度といわれている。部品調達コストや減価償却費、研究開発費が、残りのコストの大半だ。これらの費用は、どこに生産拠点があっても基本的に変わらない。ロボット主体の無人工場であれば、国内に生産を戻しても為替の影響を受けないと判断していることがわかる。

 生産の国内回帰を進めるキヤノンの御手洗会長兼社長やパナソニックの津賀一宏社長も、国内回帰を進める一方で全面的に海外拠点から撤退する考えは持っていない。一時1ドル=75円台まで進んだ超円高に苦しんだ製造業は、需要のある地域で必要なモノを生産するという、為替の影響を受けない「地産地消」方式に移行している。

 日本で生産するのは日本向け製品のみであり、海外向け製品を製造する工場が日本に戻ってくることはないという見方が強い。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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