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『ムカつくことには合理性がある~若き老害・常見陽平が吠える』

嘘だらけのサラリーマンの「功績」 東洋経済オンラインを伸ばしたのは誰か論争の幼稚さ

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「前任者の悪口を言ってるのはカッコ悪い」
→これも完全に的外れである。これのどこが「悪口」なのだろうか。「悪口」ではなく、「佐々木氏時代はこんなトライをしたが、新たな課題が見えたのでさらに新しいトライをした」という話をしているだけである。それを「悪口」だと捉える感性が激しく幼稚である。

 もっとも、中川氏のもとにこのような(彼の言葉を借りるならば)「嘆願」の声を寄せた人々は、佐々木氏のファンなのだろう。彼はそれだけ愛されていると感じられる。ただ、穿った見方をするならば、佐々木氏と現在の編集部にあたかも確執があるような、プロレス的対立を期待するかのような、そんなことを期待しているのではないだろうか、みんな。

 そういう推測に基づいた対立は不毛である。山田編集長が惜しげもなくノウハウを開示した記事を、安易に「悪口」と捉えるような人がファンだとしたら、佐々木氏もかわいそうだと筆者は感じてしまう。なんでも、プロレス的二項対立を期待してしまうのがネットの不毛なところだと思う。もっと丁寧に捉えるべきではないか。

功績は、わかりやすくまとめられる

 一般論として言うが、世の「功績」なるものはわかりやすく伝えるために、あたかも一人の人がやったかのように取り上げられるし、信じられる。「編集長の功績」なるものは、そのわかりやすい事例である。佐々木氏信者は彼が全部やったと思っているかもしれないが、一般論としてそんなことはないと思うし、山田編集長の業績ですら、別に彼がすべてをやったわけではない。

 余談だが、個人的にショックを受けた体験がある。27歳くらいの意識が高かった頃に、「日経ビジネス」(日経BP社)のこんな記事を読んだ。

 ある大手菓子メーカーの事例である。その企業は地域限定商品を仕掛け、大ヒットさせていた。担当者は20代半ばの女性ということで、「同世代にスゴイ人がいる。私もがんばらなくては」と奮起したのを覚えている。

 それから5年後のことだ。ある会合で、その大手菓子メーカー出身の方とお会いした。「そういえば、数年前、こんな記事を読んですごい社員がいるなぁと思ったのですよ」と言ったのだが、「あぁ、あれね。実は私が手がけたんだ。メディアに出すときに話題になると思って、彼女が仕掛けたことにしたんだよね」と、あっけらかんと語ってくれた。ぐうの音も出なかった。もちろん、彼女が「関わった」商品であることは間違いないのだが。他にも国民的大ヒットになった商品なども真の開発者が表に出ず、プロモーション担当などを前面に出している例は枚挙に暇がない。

 サラリーマンなど、こんなものである。世間は丁寧にプロジェクトストーリーなどを読まないし、期待もしない。だいたい、みんな「編集長」なる言葉に期待しすぎである。いや、メディアの責任者であることは間違いないのだが、言論人というよりも、ネットの時代になってからはプロダクトマネジャー、プロジェクトマネジャーの色合いが強くなっているといえる。さらにいうならば、「編集長就任」とは大層なことのように聞こえるが、単に社内的な昇進・昇格、異動という側面を持っており、たまたま就いた役職が編集長だったというケースも多いだろう。

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