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親の孤独死、遺体の体液で実家が汚染…相続財産が負の遺産に、高額な負担も

文=松井克明/CFP

空き家が「負動産」になる

 資産であるはずの不動産だが、事故物件以外でも空き家が負債になる時代がやってくるとして警鐘を鳴らすのは、「週刊現代」(講談社/2月28日号)の特集『知らぬ間に法改正されていた 「空き家」を持っていると大損する』だ。

「2月末から密かに施行されようとしている、『空き家対策特別措置法』をご存じだろうか。更地の6分の1だった固定資産税の税率が更地と同様となり、空き家を持つ人は従来の6倍の税負担を背負わされる恐れがある新法だ」(同記事より)

 全国に存在する空き家は820万戸。この背景には、空き家の固定資産税を更地の6分の1にする優遇措置がある。しかし、この優遇措置があるために空き家は放置され、いわゆる廃屋になっていて、ホームレスのたまり場になっていることもある。

 今回の特別措置法では「施行後から自治体ごとに空き家を調査し、5月末をめどに廃屋同然になっている物件を『特定空き家』と認定。所有者に管理をするよう、『指導』を行っていくという」(同)。この指導に従わない場合には、固定資産税の優遇措置が外されるのだ。しかし、この特定空き家の認定の基準は未定で、各自治体任せになりそうだ。気がつけば、空き家となっている実家が自治体から特定空き家の認定を受けて、固定資産税が6倍になる可能性がある。持っているだけで負債が増えるのだ。

 こうしたリスクを避けようと空き家を売ろうにも、なかなか買い手はつかない。やっと買い手が見つかっても、1000万円くらいすると見込んでいた家の価格が8万円だったという事例もある。さらにその事例では、家屋の解体費用は売り手側の負担とされ、解体費用150万円に、荷物整理200万円の費用がかかったという。所有していても、売却しても負債となる。こうした空き家は「負動産」と呼ばれ始めている。

 特にこうしたケースは地方で深刻だ。相続税の増税で節税策に注目が集まっているが、相続税よりも負動産に悩まされる人が増えていきそうだ。
(文=松井克明/CFP)

松井克明/CFP

松井克明/CFP

青森明の星短期大学 子ども福祉未来学科コミュニティ福祉専攻 准教授、行政書士・1級FP技能士/CFP

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