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大塚家具、骨肉の争い 娘社長の勝利濃厚か 多数派工作激化、創業家・経営陣も真っ二つ

文=編集部
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大塚家具、骨肉の争い 娘社長の勝利濃厚か 多数派工作激化、創業家・経営陣も真っ二つの画像1大塚家具 有明本社ショールーム(「Wikipedia」より/Ryoma35988)
 2月26日の東京株式市場で、ジャスダック市場に上場する大塚家具の株価が急騰した。取引開始とともに買い注文が集まり、値幅制限いっぱいのストップ高に当たる前日比300円(27%)高の1405円で取引を終えた。売買高は前日比22倍の103万株に達し、昨年来高値(1174円)を一気に更新した。翌27日も一時ストップ高(300円高)の1705円まで買われ、終値は238円高の1643円だった。2日間で49%上昇した計算だ。

 大塚家具では創業者の大塚勝久会長と、その長女の久美子社長が経営権をめぐって激しく対立。父と娘の骨肉の争いは連日、メディアを賑わしている。それまで株価は1000円台に張り付いたままだったが、一気に暴騰した。

 2月25日、勝久氏が沈黙を破り緊急会見を行い、自らの社長復帰と久美子氏の社長解任を求め、「委任状の勧誘を開始する」と宣言した。すると同日、久美子氏側は15年12月期の年間配当を80円(前期は40円)と2倍に増やす株主還元策を打ち出した。株主に会社側の方針を理解してもらうため、増配に踏み切ったのだ。期末増配が好感されたことと、双方が株主総会に向けて多数派工作を有利に進めるために株式を買い増せば、株価が上昇するとの思惑から買い物が入った。

 翌26日には、久美子氏も騒動勃発以来初めて記者会見を開いた。勝久氏が久美子氏の社長解任を求める株主提案したことを受け、多数派工作に向け「すでに大株主に接触している」ことを明らかにした。接触した株主から実際に賛同を得たかどうかについては「回答は差し控える」とした。

 また、3月末の定時株主総会の提案で勝久氏を取締役候補から外したことについて、「会社は発展段階で、創業者の庇護から離れなければならない地点がくる」と説明。父と娘が公の場で対立する騒動に発展したことを「理想的とは言えない」としながらも、解任は「可能な選択肢の中で最もスムーズな選択だと考えている」と述べた。

●プロキシファイト

 3月27日の株主総会に向けて、父と娘のプロキシファイト(委任状争奪戦)の火ぶたが切られた。プロキシファイトとは株主が株主総会で自らの株主提案を可決させるために、他の株主の委任状を会社(現経営陣)側と争奪する多数派工作を指す。勝久氏側は、勝久氏(持ち株比率18.04%)と妻の千代子氏や会長の弟である春雄氏名義分を含め、発行済み株式の22.72%を保有している。

 一方、久美子氏側は第2位株主のききょう企画の9.75%を押さえている。同社は一族の資産管理会社で、千代子氏と久美子氏ら5人の兄弟姉妹が株主だ。勝久氏は、「ききょう企画の議決権を掌握するために虚偽の名義変更を行った」として、久美子氏に株式の返還を求めて訴訟を起こしている。

 大株主は日本生命保険(5.88%)、東京海上日動火災保険(3.22%)、日本トラスティ・サービス信託銀行信託口(3.05%)、日本トラスティ・サービス信託銀行(三井住友信託銀行再信託分・三井住友銀行退職給付信託口、2.94%)、大塚家具従業員持株会の2.84%、ジャックス(2.47%)など(持ち株比率は14年6月30日現在)。このほか米投資ファンドのブランデス・インベストメント・パートナーズ・エル・ピーが、今年1月14日時点で10.77%を保有していることが明らかになっている。同投資ファンドは、久美子氏の経営改革を支持している模様だ。こうした大株主を対象に、多数派工作が繰り広げられることになる。

BusinessJournal編集部

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