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大塚家具、骨肉の争い 娘社長の勝利濃厚か 多数派工作激化、創業家・経営陣も真っ二つ

文=編集部
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●「クーデターだと思っている」

 大塚家具をめぐるプロキシファイトは、従来のそれとは色合いが異なる。これまでは乗っ取りを仕掛けた株主側と経営側の攻防だったが、今回は創業家と経営陣が2つに割れた。創業家で勝久氏についたのは、千代子氏と長男の勝之専務。久美子氏を支持したのは、執行役員で次男の雅之氏と舞子氏、佐野(旧姓大塚)智子氏たち。久美子氏側は第2位株主のききょう企画の経営権を掌握した。14年7月、当時の久美子氏が勝久氏によって解任され、勝久氏が会長と社長を兼務。久美子氏はヒラ取締役に降格された。久美子氏は社外取締役の支持を取り付け、復権を目指す。

 力関係が逆転したのは、勝久氏側の社外取締役の中尾秀光氏が1月の取締役会を前に自ら辞任したこと。14年12月期決算で赤字に転落する責任を、久美子氏らから追及されたためといわれている。中尾氏を追い落として取締役が7人となったことで、取締役会の勢力図が変わった。1月28日の取締役会で勝久社長(当時)を解職、久美子取締役(同)の社長復帰を求める緊急動議が提出され、賛成4、反対3で可決した。取締役会は久美子氏派が多数を占め、一旦は父から解任された娘が父を解任する絶好の機会が巡ってきた。

 2月13日の決算取締役会で、勝久氏の会長解任が決議された。勝久氏は25日の会見で、取締役会の舞台裏をぶちまけた。

「三女の旦那で取締役の佐野(春生)が解任に回ったからだ。佐野の1票で4対3となり、(私は)解任となった。三女の家庭に目をかけてきたのに、なぜ(解任に)賛成したのかわからない。(私は)クーデターだと思っているが、社員はテロだといっている」

 大塚家具は2月17日、会長で筆頭株主の勝久氏が株主総会に提出した株主提案について、「会社として反対する」ことを取締役会で決議したと発表した。勝久氏が提出した株主提案は、久美子氏が社長に復帰した翌日の1月29日に提出されている。勝久氏や長男の勝之専務を含む5人の社内取締役を選任するよう求めているが、候補に久美子氏の名前はない。久美子氏が勝久氏の会長復帰を一蹴したことで、勝負はついたと思われた。

 しかし、勝久氏は捨て身の反撃に転じる。2月25日、東京・千代田区の大手町ファーストスクエアで開かれた「大塚家具の新経営体制構築を目指した株主提案に関する記者会見」は異様なものだった。会見の冒頭、勝久氏と長男の勝之専務ら株主提案の役員候補6人が登壇したほか、背後に部長クラス8人が居並ぶ。司会者から、部長8人は「大塚家具の危機的な状況を憂慮し、自らの意思で、久美子社長の速やかな退任と、勝久会長の復帰を望んでいます」と説明された。

 報道陣からは父娘の衝突についての質問が相次いだ。「久美子氏を社長に選んだのは失敗だった。悪い子供をつくった。残念だ」。一度は自分の後継者に久美子氏を選択した勝久氏は、そう言って悔やんだ。そして久美子氏を解任するために、プロキシファイトを宣言した。

BusinessJournal編集部

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