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闘うジャーナリスト・佐々木奎一がゆく! ワーキングクラスの被抑圧者たち 第26回

富士ゼロ子会社、バイト社員に退職強要?嘘をついて呼び出し、自己都合退職を偽装か

文=佐々木奎一/ジャーナリスト
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うつになり、退職を強要される

 14年7月、F氏は病院でうつ病と診断された。その後、会社には毎月診断書を提出し続け、11月中旬に「12月1日から仕事に復帰できる」との診断書を提出した。すると、富士ゼロSS本社からメールで「産業医との面談を受けるため、12月9日に本社に来るように」と指示された。

 当日、F氏が会社に行くと産業医はおらず、店長と人事担当者が待っていて個室に通された。そこで「なぜ病気になったのですか?」と質問され、F氏は「医師が言うには、特定の理由ではなく、いろいろな要因が重なって発症したのだろう、とのことです」と説明した。

 続けて「職場に不満はないですか?」質問され、F氏は「ない」と回答したにもかかわらず同じ質問を3~4回繰り返され、F氏は「シフトで人数が足りない時は大変だったりします」と答えた。さらに「人間関係で不満はないですか?」と問われ、F氏は否定したが、再度同じ質問をされたため、「他の人と同じことをしていても、特定の人だけに怒る人がいます」と答えた。

 その言葉を待っていたかのように、会社側は「あなたのことは3カ月前から解雇することが決まっていました」と言った。そして「シフトに入れたとしても1週間で3時間だけになります」と続けたのに対して、F氏は「それでも戻りたいです」と職場復帰を懇願した。

 すると会社側は「シフトに入れる時間は一切ありません。入れたとしても、パワハラを繰り返していた人と同じ時間帯になります」と回答した。「それでも戻りたいです」と訴えるF氏に会社側は「戻るところはないので、辞めますか?」と迫り続けた。「戻りたいです」と繰り返し求めたF氏だが、聞き入れてもらえず、復職を断念せざるを得なかった。

 F氏があきらめた途端、重ねて会社側は自己都合での退職を迫った。

「自己都合で辞めるか、会社都合で辞めるか、どちらにしますか? 会社都合で辞めると履歴書に傷がつき、今後、就職は難しくなります。履歴書に自己都合と書いても、会社に辞めた理由を確認する電話が来るので明らかになります。履歴書に虚偽記載をすると法律違反です。自己都合ならば、そういったデメリットは一切ありません」

 これを聞いて、F氏は自己都合での退職を選択した。すると別の社員が現れ、退職願を書くよう指示され、F氏はそれに従った。

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