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永濱利廣「“バイアスを排除した”経済の見方」

石炭火力発電推進、GDP増と雇用増に有効 バカ高いLNG輸入、日本経済に悪影響

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 一方、日本で燃料費を抑制する策の一つとして、石炭火力発電の推進も有効といえる。石炭火力の新増設が可能となれば、LNG火力への集中を避けることができ、貿易収支の改善にもつながることは確かである。

 事実、LNG価格が欧州並みになると仮定すると、理論上の年間発電コストは1.6兆円程度抑制される計算になる。また、わが国の発電構成比における石油分(13%)をすべて石炭にシフトすると、理論上の年間発電コストは9000億円程度抑制される計算になる。そこで、これがマクロ経済に及ぼす影響を試算すれば、実質GDPが3年後に+3.2兆円程度拡大すると試算される。つまり、仮にLNGの輸入価格を欧州並みに下げ、発電構成比の13%分の石油を石炭火力にシフトすることができれば、3年後の実質GDPは+0.6%程度押し上げられ、約+10.8万人の就業者数の拡大に結びつくことになる。

 さらに、国際収支上は輸入金額の減少に結びつくため、燃料費減少は経常黒字を拡大させる要因となり、その効果はやがて産業の空洞化を抑制し、これによって国内での雇用機会が拡大すれば、日本経済はさらなる復活の道が期待されることになる。

 なお、年間の発電コストが約1.7兆円減少すると、経常黒字が+2.5兆円以上拡大すると試算される。一方、経常黒字の拡大を通じて円がドルに対して+11.5円程度増価圧力がかかり、これがさらに輸入コストの減少につながると予想される。このように、発電コストの減少が最終的に経常黒字を拡大させることにつながれば、財政、金利、為替など、経常黒字を通じた日本の経済システム全体を大きく変えることになる。
(文=永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト)

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