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経営危機再来のシャープ、危険水域へ突入 救うのか見捨てるのか?銀行に迫られる決断

文=編集部
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経営危機再来のシャープ、危険水域へ突入 救うのか見捨てるのか?銀行に迫られる決断の画像1シャープ本社ビル(「Wikipedia」より/Otsu4)
 経営再建中のシャープが、再び存亡の危機に立たされている。昨年10月に発表した2015年3月期決算見通しでは、営業利益は1000億円、純利益300億円だったが、今年2月、液晶パネル価格の下落やテレビ事業の不振に伴い、営業利益は500億円に半減、純損益は300億円の赤字に転落すると大幅に下方修正した。

 さらに、赤字幅は300億円程度では収まらなかった。3月3日付日本経済新聞は「不振事業の損失処理で純損失は1000億円に膨らむ見通しだ」と伝え、同日付共同通信は同2000億円規模になると報じた。3月6日付朝日新聞も同3000億円の見込みと報じ、赤字幅予想が1000億円単位で増えている。

 シャープはリストラの具体策として、発光ダイオード(LED)を生産する三原工場(広島県三原市)や、スマホ向けセンサー部品を手掛ける福山工場第1~3工場(同福山市)の閉鎖を検討する。国内主要工場の閉鎖は初めてとなる。赤字の太陽電池事業やテレビ事業の北米生産からも撤退し、メキシコのテレビ工場は売却する。

 シャープは今年5月に16年3月期から始まる新たな中期経営計画を策定する予定で、テレビ、液晶、太陽電池、電子部品、白物家電の事業改革の方針を打ち出す。リストラを一段と進めると、赤字幅がさらに膨らむ可能性が高い。12年3月期に3760億円、13年3月期に5453億円と2期連続で巨額の最終赤字を計上した。あれから2年、経営危機が再来している。

●主力2行に金融支援を要請

 巨額の赤字転落で、財務が急激に悪化する。14年12月末の自己資本比率は10.8%と低迷している。5453億円の最終赤字を計上した13年3月期に5%まで低下したが、13年秋に公募増資などで1400億円調達し2ケタを回復したばかりだ。15年3月期は巨額赤字に転落するため、自己資本比率は10%を大きく割り込み危険水域に突入する。

 資本を増強すべく、三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行の主力2行に金融支援を求める案が浮上した。債務(銀行からの借入金)の一部を議決権のない優先株に振り替えてもらう「デット・エクイティー・スワップ(DES、債務の株式化)」という手法で、計1500億円の資本を増強するというアイデアだ。シャープにとっては有利子負債を減らし株式資本を増やす妙案だが、銀行にはリスクが高い。貸し付けであれば担保を取っているので回収できるが、株式に切り替えると株価が下落して多額の損失が生じるリスクが増す。

 シャープは経営悪化で資金流出が続いていた12年9月、主力2行と3600億円に上るシンジケートローン(銀行団が組成する中長期ローン)契約を結んだ。これを受けて13年5月に、13年度から15年度の中期経営計画を発表した。中期計画の最終年度である16年3月期には売上高3兆円、営業利益1500億円を達成するというものだったが、達成は絶望的となった。

BusinessJournal編集部

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