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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」(3月17日)

市販の歯磨き剤は危険?歯周病の原因に?発がん性や毒性含有の恐れ

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト
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危険な成分が多い歯磨き剤

 ところが、歯磨きの際に市販の歯磨き剤を使うとブラッシングの時間が短くなってしまい、歯垢を十分に除去することができないのです。なぜなら、歯磨き剤には刺激性のある化学物質がいくつも含まれているため、舌や歯肉や口内粘膜が刺激され、長時間のブラッシングは困難になるからです。

 市販の歯磨き剤は、ほぼすべてに合成界面活性剤が配合されています。合成界面活性剤は泡を立てて歯の表面を洗浄するためのもので、これが主成分です。一般的には、ラウリル硫酸Naが使われています。ラウリル硫酸Naは、代表的な陰イオン系の合成界面活性剤です。合成界面活性剤はどれも刺激性があり、歯磨きの後にしばらく食べ物の味がわからなくなるのは、それが原因と考えられています。中でもラウリル硫酸Naは、旧厚生省が皮膚障害やアレルギー、がんなどを起こす可能性があるとしてリストアップしていた表示指定成分です。

 以前は、化粧品や医薬部外品(歯磨き剤は医薬部外品に該当)には、表示指定成分の表示が義務付けられていました。それらを肌につけると人によっては皮膚障害などを起こす可能性があるため、表示することで注意を喚起していたのです。2001年4月からは、化粧品の全成分表示が義務付けられ、また、医薬部外品についても業界が全成分の表示を自主的に決めたため表示指定成分の制度はなくなりましたが、それらにリストアップされた化学合成物質が、今も要注意物質であることに変わりはないのです。

 このほか、歯磨き剤の多くには、保存料のパラベンが使われています。腐敗を防ぐために配合されており、細菌やカビなどの増殖を抑制します。しかし、細菌やカビなどに対して毒性があるだけでなく、口内や舌などの細胞に対しても毒性を発揮する可能性があるのです。これも表示指定成分だったものです。

 さらに、香味剤としてサッカリンNaが配合されているものが多くあります。合成甘味料の一種で、食品添加物としても使用が認められていますが、実は発がん性の疑いがもたれています。カナダでサッカリンNaを5%含む餌をラットに2世代にわたって食べさせる実験が行われました。その結果、2代目のオス45匹中8匹に膀胱がんが発生しました。

 市販の歯磨き剤には、このような危険性のある化学合成物質がいくつも配合されています。その影響で、歯磨き剤を使って歯を磨いていると舌や歯、口内粘膜が刺激され、また味を感じる器官である味蕾が影響を受けて食べ物の味がわからなくなるのです。

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

1954年9月生まれ。栃木県宇都宮市出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題紙の記者を経て、82年からフリーの科学ジャーナリストとなる。全国各地で講演も行っている

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