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中村芳平「よくわかる外食戦争」

マック崩壊を招いた、組織破壊と優秀な人材の放逐 FCから反発噴出で集団離反の恐れも

文=中村芳平/外食ジャーナリスト

米本社でもトップ交代

 米マクドナルド本社は3月1日付で現CEOのドン・トンプソン氏が就任2年半で引責辞任し、スティーブ・イースターブルック・シニア上級副社長がCEOに昇格する人事を決めた。最大の課題は、客離れの進むアメリカ事業の立て直しである。新CEOはオーダーメード型バーガーを全米2000店で展開する再建事業に取り組んできた。店舗で「あなたのバーガーをつくろう」と書かれたタッチパネルを操作し、好きな具材を組み合わせ、「自分だけのバーガー」を作って食べられるという、従来のマクドナルドでは考えられない店舗づくりだ。「食の安全」問題でも自社サイト上で工場内を公開し、食の不安を払しょくする取り組みも行っている。

 現在、マクドナルドは日米欧中など世界で客離れを起こし、売上高を落としている。これはマクドナルドのこれまでの大量生産、大量販売の経営モデルが行き詰まっているからだ。アメリカでは14年夏からオーダーメード型バーガー店を試験的に始めた。価格は従来より高くなるが、これが結構人気で、マクドナルド再建の切り札になりつつある。 

 日本マクドナルドも米マクドナルドにならい、早晩オーダーメード型バーガーの新型店をオープンし、負の連鎖で行き詰まっている現状を突破しようとするだろう。

 日本マクドナルドは創業社長の藤田氏の偲ぶ会を開催、藤田氏に礼儀を尽くしたうえで、再出発すべきである。
(文=中村芳平/外食ジャーナリスト)

中村芳平/外食ジャーナリスト

中村芳平/外食ジャーナリスト

●略歴:櫻田厚(さくらだ・あつし)

1951年、東京都大田区生まれ。高校2年生の時に父が急逝し大学進学を断念、アルバイトして家計を助ける。都立羽田高校卒業、広告代理店勤務。72年に14歳年上の叔父(モスフードサービス創業者・櫻田慧)に誘われ「モスバーガー」の創業に参画。フランチャィズ(FC)オーナーなどを経て、77年に同社入社。直営店勤務を経て教育・店舗開発、営業などを経験。90年、初代海外事業部長に就任、台湾の合弁事業の創業副社長として足掛け5年半でモスバーガーを13店舗展開。1985年の株式上場と244店舗展開(16年9月末)、そして同社の海外展開の基礎をつくった。慧氏は97年にくも膜下出血で急逝、享年60。櫻田氏は98年社長に就任、14年会長兼社長に就任し、今年6月、社長を常務取締役執行役員の中村栄輔氏(58)に譲った。社長交代は18年ぶりのことだ。櫻田氏は中村氏に国内事業、新規事業を任せ、海外事業に全力を注ぐ構えだ。「モスバーガー」を世界のブランドにするという、夢の実現に向かって挑戦しようとしている。

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