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ワーク・ライフ・ハピネス 第4回

ひとりの男が大企業優遇の日本を変える!外務省も後援、世界中の中小製造巻き込みに成功!

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー
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 会場はまるで人気の格闘技会場のようだ。対戦するチームの紹介VTRが流れ、煽るような実況の声が会場に鳴り響く。小さな土俵の周りを無数のマスコミのカメラが囲み、行司のかけ声で2つのコマが対決する。各チームの代表が自分の手でコマを回す。強く回しすぎて土俵から出てしまう失投もある。何が起こるかわからないのが、この競技の面白さだ。

 相手のコマをはじき飛ばし、勝負が一瞬で決まることもあれば、コマ同士がぶつかり合いながら土俵上で回り続け、どちらかが倒れるまで数分かかることもある。勝負がつくと会場の観客がどっと沸く。コマの戦いとは思えない雰囲気だ。

 この日は、国内予選を勝ち抜いた18チームと、東南アジアや南米など7カ国11チームの計29チームがトーナメント方式で戦った。2連勝すると勝ち上がる方式で決勝に進んだのは、愛知県のチームとインドネシアのチームだった。

 世界コマ大戦の名前の通り、2カ国による決勝となったが、ジャイロスコープを内蔵したユニークなコマで勝負した愛知県のチームが接戦の末、初優勝した。

着想からわずか3年で世界大会へ成長

 この世界コマ大戦は、2012年2月に開かれた「第一回全日本製造業コマ大戦」から数えて3回目の大きな大会となる。第一回目は中小企業の展示会の小さなブースで行った。国内の21チームが戦う企画だった。そこからわずか3年で、大ホールを貸し切り、世界7カ国から400チームが参戦し、総務省・外務省が後援する世界大会へと大成長した。

 14年には地方予選や全国大会をはじめ、イベント会場で行う特別場所、海外で行う海外場所など合計72大会が開かれ、参加数も国内外合わせると1444チームを数えた。中小企業が技術を競い合うメジャー大会となった世界コマ大戦だが、これは緑川氏のひらめきから始まったのだ。

 08年に結成された、製造業に関わる経営者集団「心技隊」の隊長だった緑川氏は、中小企業の展示会のブースに人を集めるための企画を考えていた。11年に「ものづくり流行語大賞」を発案し、表彰式を行うなどして話題を集めたが、もっと多くの人を集める企画はないかと模索していた。

 仲間の飲み会で、ある企業が作った小さな金属製コマの存在を知った。1円玉よりも小さなコマが3分以上も回り続けると聞き、緑川氏は直感的に「これはいける」と感じたという。

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