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山田修「展望!ビジネス戦略」

危機マック、打開策はFCによるマック“逆”買収である 新経営陣では復活は厳しい

文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役
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 では、上場企業である日本のマクドナルドを買収するには、どのくらいの資金が必要だろうか。直近の株価による時価総額は3500億円ほどで、米マクドナルドの持ち分は53%ほどである。3500億円の約半分にプレミアムをつけて、2000億円ほどで入手できるだろう。苦境に立ち、新しいCEOを迎えた米本社にとっては、涎が出るようなキャッシュではないだろうか。

 2000億円の資金は、自前で用意しなくてもレバレッジド・バイアウト、すなわちマクドナルドの資産を担保にして事前融資を受けるかたちで調達できる。FCが本部を買収するのをフランチャイジー・バイアウト(FBO)と呼ぶ。

 こうした手法に違和感を感じる向きも多いかもしれないが、マクドナルドはそもそも藤田商店の子会社として発足した。筆者がコンピュータランド・ジャパンというFC本部の幹部だったとき、有力FCだったカテナ(現システナ)の小宮善継オーナーが秘密裏に米国本部を訪問し、電撃的に日本法人を買い取ってしまった。1987年とずいぶん前の事例だが、当時本社から派遣されていたアメリカ人社長にも事後通達という電撃的なデールだった。「潰れれば家屋敷もなくなる」というFCオーナー経営者ならではの果敢な手段だった。

「起こってしまうと、必然だったように見える」というのは、多くの経営現場で筆者が経験してきたことでもある。
(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
有限会社MBA経営 公式サイト
山田修の戦略ブログ

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