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健康食品、規制緩和で健康被害急増?届出制により安全性・有効性の審査が形骸化か

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 厳しい審査・許可を受けずに届出だけで、トクホと同等の表示ができる機能性表示食品は、まさに“いいとこ取り”だ。これは企業に対して極めて異例な特別待遇ではないだろうか。

 食品の機能性・安全性の問題は、企業と消費者との間のトレードオフ、「あちらを立てれば、こちらが立たず」の関係になりがちだ。つまり企業の特別待遇は、逆にそれだけ機能性表示食品を摂取する消費者が、期待外れや意味のない出費、健康被害などのダメージを受ける機会が増えることを意味してはいないか。

企業の特別待遇の経緯

 なぜ、このようなことになったのか。

 第二次安倍政権発足間もない13年1月に始まった規制改革会議の検討項目の1つとして、「一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みの整備」についての議論が行われた。

 そこでは、特に(1)栄養機能食品は対象成分がビタミンなどに限定されている、(2)トクホは安全性・有効性を確認するための臨床試験(ヒト対象試験)が必須であり、そのための時間と多額の費用がかかり、中小企業にとってはハードルが高い――などの問題が指摘された。

 その結果、14年6月半ば、機能性表示を容認するとした「規制改革実施計画」と「日本再興戦略」について、閣議決定【編注4】がなされた。

 それは(1)米国のダイエタリーサプリメントの表示制度を参考にする、(2)国ではなく、企業などの責任で科学的根拠を基に機能性を表示できる――といった新たな方策を検討するために、消費者庁に「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」が設置された。

 14年7月末、食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書が作成され、それを受けて
「機能性表示食品」が食品表示法に基づく食品表示基準に定められた。同基準は今年3月に公布され、4月から施行された。
 

科学的裏付けを欠くデタラメさ

 日本の機能性表示食品制度の参考にしたのが、米国の、食品の補充を意味する「ダイエタリーサプリメント」の制度だ。これは日本の厚労省に当たる食品医薬品局(FDA)の許認可は不要で、販売後30日以内にFDAに届出をすれば、事業者の自己責任で「関節の健康促進に寄与します」など構造・機能表示が可能だ。食品は錠剤、カプセル、粉末などサプリメントに限られ、疾病リスク低減表示はできない。

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