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グノシー上場に不安続出で暗雲 「第2のgumi」懸念 主幹事証券、またあの野村

文=寺尾淳/ジャーナリスト
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 吸収金額が100億円を超えるのはたいていの場合、公募株数が300万株、500万株を超えるようなケースである。それにより発行済み株式数が一気に増加すると「希薄化」という現象が起こり、株式マーケットで株式の供給が需要を上回って株価は下がりやすくなる。そのため小規模なベンチャー企業は新規上場時に投資家の心証をあまり害したくないので、公開株数を抑え気味にするもの。

 吸収金額が100億円を超えるケースは大企業を除けばあまりなく、昨年は12回で、今年はまだ1回だけである。具体的には、リクルートホールディングス(6098)、すかいらーく(3197/再上場)、西武ホールディングス(9024/事実上再上場)、ジャパンディスプレイ(6740)、日立マクセル(6810)など大企業が並ぶ。

 その昨年、今年の計13回で、初値>公開価格(白星)は3回、初値=公開価格(引き分け)は3回、初値<公開価格(黒星)は7回だった。昨年は新規上場全体でも引き分けは3回、黒星は15回しかなかったが、引き分けはすべて、黒星も15回中7回の46%が吸収金額100億円以上だった。やはり新規上場時の成績はよくない。
 
 今年これまでの吸収金額100億円以上の上場となった1件、4月8日に新規上場したサンバイオ(4592)は、人気のバイオ関連銘柄ながら初値は公開価格を14.5%も下回り、新規上場では今年2回目の黒星だった。昨年以来、吸収金額100億円以上が「3勝7敗3引き分け」の負け越しなのは、Gunosy関係者や公募に応募した投資家にとって、気になるデータだろう。

 ちなみに、昨年と今年、新規上場の初値が黒星を喫するか、または引き分けになった計20件の主幹事証券は、野村證券がトップの7件で全体の35%を占めていた。gumiとGunosyの主幹事証券も野村證券である。

●業績面でも不安要素

 もちろん、新規上場時の吸収金額が100億円を超えても、リクルートホールディングス、すかいらーく、西武ホールディングスの現在の株価は上場時の初値を上回っている。初値が黒星だったホームセンターのジョイフル本田(3191)は、その後の株価が初値の2倍を超えたこともある。野村證券を主幹事に昨年12月15日に東証1部へ上場したテクノプロ・ホールディングス(6028)は、吸収金額はgumiを上回る531億円で初値は黒星だったが、現在の株価は初値の1.8倍を超えている。

「小さく産んで大きく育てばいい」という大義名分で、上場時には投資家をがっかりさせても、その後の業績が好調だったり、株主還元策を打ち出せば投資家から見直され、株価は上がっていく。gumiの場合はその正反対だったために、投資家はがっかりを通り越して、怒っているわけである。

 だが、今回上場するGunosyの場合は、業績やメイン事業であるスマホ向けニュースアプリの市場環境について、不安視する見方も多い。

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