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山田修「展望! ビジネス戦略」

寺に油がまかれるとセコムが儲かる、という考えは経営者に必要な戦略的思考である

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 例えば、同社が注力している警備サービスに「セコムNVRシステム」がある。これは企業内での監視カメラと出入管理を組み合わせた警備サービスである。

「工場内に従業員の行動をとらえることができる複数台のカメラを設置したうえで、製造エリアでは手元を大きく映し出すことができる高性能カメラを配置。従業員にはゼッケンを装着させることで個人を容易に識別できるようになり、製造ラインで異物混入などの問題が発生すればすぐに個人を特定できる。また製造エリアには2人以上揃わないと入れないようにしたほか、単独で居残りするとすぐに警報が鳴る仕組みも取り入れた。このようなきめ細かな仕組みが評価され、前期は30の工場に2000台近いカメラを一括導入する顧客を獲得するなど、大型案件の受注が堅調だ」(4月10日付日本経済新聞電子版記事『セコム、工場・外食・塾…広がる監視需要』より)

 これらの「企業内監視システム」は、さらに通信によりセコムの「警備監視センター」で一括してモニタリングおよび記録することが可能である。需要は無限といっていいだろう。セコムの株価もうなぎ上りで4月10日の高値8621円は、年初から30%も上げている。

「風が吹けば桶屋が儲かる」。このことわざを投資家は「油がまかれればセコムが儲かる」と言い換えられるかもしれない。しかし、企業側の経営者の立場で見ると、「世相が動けば需要がどうなるか」と考えて備えなければならない。さらに、戦略的経営者ならもう一歩先を読み「世相がこう動くかもしれない、それならこんな手を打って待ち伏せしておこう」とまで考えられなければならない。

 戦略的経営者に洞察力と見識が求められるゆえんである。
(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)

撮影=キタムラサキコ
●山田修(やまだ・おさむ)
経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第11期」が5月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長のロジカルマネジメント-私の方法』(講談社)ほか多数。

「有限会社MBA経営 公式サイト」
http://senryaku.p1.bindsite.jp/
「山田修の戦略ブログ」
http://yamadaosamu.blogspot.com/

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