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自民党・安倍政権、驚愕の報道介入&言論弾圧!気に入らなければテレビ局聴取や取材拒否

文=大石泰彦/青山学院大学法学部教授
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【テレ朝、「影の内閣」報道事件(2003年11月~)】

 与党・自民党の執行部は総選挙の5日前、『ニュースステーション』(テレ朝)が野党・民主党の「影の内閣」特集を放送したことが「一党のみのPRとなる極めて不公平な放送」であるとして、総選挙の日の速報番組への出演を拒否し、さらにその後も継続。結局、自民党幹部がテレ朝に再び出演したのは、同局が編成制作局長、報道局長に対して処分を行い、さらに社長が「反省すべき点があった」との見解を示すなど全面降伏を行った後の04年3月1日のことだった。

【TBS、「電力システム改革法案」報道事件(13年6月~)】

 与党・自民党は、『NEWS23』(TBS系)が電力システム改革法案廃案のニュースを伝えた際、その内容が、この法案の成立を望んでいた関係者の「与党は、実はこの法案を通す気がなかったのでは」との批判的発言を基調に構成されていたとして、TBSに取材拒否を通告。これに対しTBSは謝罪・訂正はできないとの姿勢を貫くが、結局「指摘を重く受け止める」旨の文書を自民党に提出。自民党はこれを謝罪と見なして取材拒否を解除。

 このようにして自民党は、個別の番組・報道に対して非常に厳しく放送の公平・公正を要求してきたのだが、その一方、最近の例だけ見ても、13年4月の情報番組『スッキリ‼』(日本テレビ系)に約40分間も安倍晋三首相が生出演し、さらに14年3月には『笑っていいとも!』(フジテレビ系)に安倍首相が約20分間出演して司会のタモリとトークを繰り広げたりしている。同党の公平・公正の主張が、実はかなり身勝手なものであることは明らかであろう。

放送における公平・公正とは

 では、放送に対する公平・公正の要求とは、どのようなものなのだろうか。その根拠は、放送法第4条において「放送番組の編集に当たつては、(略)政治的に公平であること(略)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」と求められていることによる。また、放送の公平・公正性について判断し、放送局に対する処分を行うことができるのは監督官庁である総務省に限られている。

 上記諸事例や今回の事例を見ればわかるように、個別番組の内容に基づく与党の放送局に対する圧力は、見かけ上は放送法第4条などの趣旨に依拠した「要請」や「協力拒否」のかたちをとっている。しかし、実際には時の政権が「法律に定める」規制権限を有する総務省に対して監督・指示し得る立場にあり、その総務省は放送局に対する処分権限を持っていることを鑑みれば、放送局側からすると規制権限をバックにした「お上のご意向」そのものであり、多少の抵抗をしたところで結局は恭順の姿勢をとるしか仕方がないのである。

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