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清水和夫「21世紀の自動車大航海」(4月24日)

マツダの偉業 世界のクルマの常識を凌駕する独自技術を開発、止まらない進化

文=清水和夫/モータージャーナリスト

マツダの偉業 世界のクルマの常識を凌駕する独自技術を開発、止まらない進化の画像1マツダ・アクセラ(「マツダ HP」より)
 独フォルクスワーゲン(VW)のゴルフは常にCセグメント(スタンダードカー、全長4200~4600mmで排気量1.5~2リッターのエンジンが一般的なクラス)のベンチマークであり、5代目からはダウンサイジングターボ(従来と同等の動力性能で排気量を小さくしたターボエンジン)を搭載し、世界中でダウンサイジングブームを巻き起こしたクルマである。実際、現在では多くの自動車メーカーがダウンサイジングターボをチョイスしている。ガソリンエンジンの場合、自然吸気(NA)よりもターボのほうが走りと燃費を両立できるというのが特長だ。従来のターボは燃費が悪かったが、燃料を直接噴射することで冷却機能が改善し、ターボに新しい時代が訪れたのである。

 しかし、そのダウンサイジング優位論に一石を投じるクルマが現れた。これまでパッとしなかった日本のCセグ市場に、スカイアクティブテクノロジーという武器を引っ提げて登場したマツダのアクセラだ。こちらは2リッターのNAガソリンエンジンだが、パフォーマンス、そして燃費もダウンサイジングターボに比べても遜色ない。スカイアクティブテクノロジーで開発されたガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、欧州メーカーもマネできない独自技術の結晶なのだ。

 2リッタークラスのエンジンなら、1.4リッターターボにしたほうが燃費は良くなると証明したのがVWのTSIエンジンであった。この技術は2005年頃にゴルフGTに搭載されて登場したのが最初だ。開発したのはVWのエンジン技術部門のルドルフ・クレープス博士で、ダウンサイジングターボのコンセプトをフェルディナンド・ピエヒ会長に提案したところ「モノになりそうなので、(VWグループの)アウディに転籍して開発を続けなさい」と言われたそうだ。

 アウディは1980年代からクワトロにターボを搭載しており、経験が豊富だ。クレープス博士はアウディの研究部門で研究を続け、ダウンサイジングターボが完成するとVWに戻りゴルフに搭載して市販化した。当時の欧州はディーゼル車に人気が集まり、ガソリン車は見向きもされない時代だった。クレープス博士はなんとかガソリンエンジンをディーゼルに負けない魅力的なエンジンにしたいと考えていた。VWから始まったダウンサイジングターボブームは、独ポルシェや伊フェラーリに影響を与えるほどになったが、その勢いに待ったをかけたのがマツダの人見光夫常務である。

 人見常務は日本の自動車エンジンに革命を起こした人物で、ガソリンエンジンの場合、ダウンサイジングターボのように排気量を小さくせずに、高圧縮で燃焼させたほうが効率的であるという主張を掲げている。つまり、ターボは効率のよい負荷や回転数から外れると、一気に燃費が悪くなる。だから多段化したギアボックスが必要になり、欧州や日本のモード燃費に合わせると良い数値が出やすくなる。だが、実用的な燃費ではNAの高圧縮エンジンに分があると考えている。

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