佐藤美希のTwitter
発端は、応援マネージャーとして4月18日、J1ファーストステージ第6節の浦和レッドダイヤモンズ(レッズ)vs.横浜F・マリノスの試合に行った際に、いつも同様にホームチームのユニホーム(本試合は浦和レッズ)のユニフォームを着た画像と、浦和レッズが勝利した喜びをツイートしたことだ。これに横浜マリノスのサポーターが、「Jリーグ女子マネージャーという立場の人間が、特定チームのユニフォームを着るのはいかがなものか」とリプライし、佐藤が謝罪する事態に発展した。だが、かつてJリーグチェアマンという立場だった川淵三郎氏も、ホームチームのユニフォームを着てJリーグの試合を観戦したという前例があり、当時は問題にならなかった。
では、なぜ佐藤は批判されたのか。
一つは時代の違いがあるだろう。今では発言がインターネット上で揚げ足を取られて批判されてしまうことも多い。たとえ世論としては少数意見でも、メディアがそれを面白おかしく取り上げることもある。佐藤を擁護するツイートも数多く散見されるように、佐藤への批判は決してJリーグサポーターの総意ではない。
そしてもう一つは、そもそもJリーグ女子マネージャーは必要なのかという問題である。Jリーグ女子マネージャーが“所属”するJリーグ特命PR部についてJリーグ事務局は、「一人でも多くの方にJリーグとサッカーの魅力を広めていくためにつくられた部です」と説明しており、ファン獲得を目的とする広報活動の一環である。
だが、2010年に開始されて以降、この取り組みが成功しているとはいいがたい。たとえばバレーボール日本代表戦のように、ジャニーズタレントを起用することで多くのファンが会場に詰めかけるというような現象は起きていない。一部では1000万円近い費用がかけられているといわれているが、その費用対効果は高いとはいえない。
Jリーグ事務局の体たらく
では、Jリーグ女子マネージャーは一体なんのためにあるのか。
現状を見る限りは、Jリーグ事務局幹部たちの自己満足にすぎないのではないだろうか。もしそうでないならば、費用対効果を説明すべきである。今回のように、Jリーグ女子マネージャーの必要性が理解されず、結果として人々に「Jリーグサポーターって、なんか面倒くさい」と悪印象を与えるだけでは、かえってマイナスといえる。
Jリーグ競技・事業統括本部長の中西大介氏は、「観客動員数が落ち続けている」ため今年から2ステージ制移行したと語っており、裏を返せばJリーグ女子マネージャーに効果がなかった証左でもある。にもかかわらず、今年もホリプロ所属のタレントが起用されている。Jリーグの収入が減少傾向にある現状を考えれば、事務局は経費の見直しはもちろん、100人近いといわれる職員の仕事の割り振り含め、人件費の圧縮をすべきである。