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藤原実「気になりませんか?」(4月27日)

ベンチャー企業はなぜ上場を目指す?急成長を後押しするVCの意外な収益構造とは?

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 例えば、あなたが一念発起してベンチャーキャピタルを立ち上げるとしましょう。そして、ファンドに100億円集めることに成功すると、契約上はどんな手数料をもらうことになるのでしょうか? 以下、一つの例として説明します。

【ビジネスジャーナル1号ファンド】
・ファンド総額 100億円
・設立手数料 2.5%/設立時のみ(2億5000万円)
・管理手数料 2.5%/年(2億5000万円)
・成功報酬 出資者に一定以上のキャピタルゲインを提供後、上ぶれした部分は○%
・ファンドの期間 10年

 お金を集めて、手数料だけをかすめ取って投資をしない、というのはVCとしての役割を放棄することになるので、当然ながらあり得ません。一生懸命、有望な投資先を発掘し、投資後は10年をメドに資金を回収して、出資者にできる限りリターンを与えられるように努力します。

VCが直面する償還期限と換金プレッシャー

 一方、ファンドには7年や10年など償還期限が設けられているので、それまでに投資した結果を出さなければなりません。仮にファンドにお金がたくさん集まったとしても、ノロノロしていると大変なことになるのです。急成長が見込まれる企業といっても、株式未公開企業は投資してすぐに成果が出るわけではありません。IPOまで、どんなに早くても3~4年はかかります。したがって、ファンドを創設して資金を集めたら早めに投資をしないと、ハイリターンを得る望みすらなくなります。

 株式や企業買収など、いわゆる「ハイリスク・ハイリターン」な投資へ投入される資金をリスクマネーと呼びます。市場環境がよくなり、そのリスクマネーがたくさん供給され、さまざまなファンドが創設されるようになると、別の悩みも生まれます。それは、「有望な投資対象は限られている」ということです。短期間で急成長する企業は少なく、さらにその中でIPOに到達する企業となるとごく少数です。

 ファンドがたくさん創設されると、有望な企業には資金が集中します。その結果、人気のある企業は株価が高くなります。前述のように、ファンドには償還期限があるため、「ちょっと高いな」という場合であっても、資金を寝かせておくわけにはいかないので、無理をして投資するケースも出てきます。

 安く投資できればできるほど、リターンは大きくなりますが、高く投資すればその分リターンは小さくなります。投資を受ける側にとっては、少ない株式で多くの資金調達ができることになりますが、逆に投資する側にとってはあまりうれしくありません。

 今の市場がどういう状況なのか、というのはそれぞれの判断にお任せしますが、VCがどんな投資をしているのかを追っていくと、現在の市況を判断する一助となるはずです。

 償還期限があるということは、VCには「それまでに換金しなければならない」というプレッシャーがあるということです。投資先の企業に、期限までになんとか換金(IPOあるいはM&A)できるようにプレッシャーを与えるケースもあります。ベンチャー企業側は、まだ株式公開や売却をしたくない状況であっても、株主であるVCの要求を無視することはできません。もちろんここでも、経営者の持株比率やVCとの関係性、その他の株主の意向など、さまざまな要因があり、一概にいうことはできません。

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