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大西宏「コア・コンセプトのビジネス学」

セブン、圧倒的強さの秘密 潰し合い突入のコンビニ業界、大きな差を生む「個店の稼ぐ力」

文=大西宏/ビジネスラボ代表取締役

 このところ、コンビニエンスストア業界で目立った動きが立て続けに起こっています。ファミリーマートとサークルKサンクスを展開するユニーグループ・ホールディングスは経営統合に向けて交渉に入ることが発表され、東海地方地盤の中堅チェーン、ココストア買収の最終調整に入っているとも報じられています。もし統合が実現されれば、業界3位のファミマと同4位のサークルKサンクスの店舗数は合計1万7668店舗(2015年3月末現在)となり、国内店舗数では僅差とはいえセブン−イレブンを抜き、業界トップに躍り出ることになります。

 また、業界2位のローソンは、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスと提携し、今夏から店舗を基点に「御用聞き」や「宅配弁当」などのサービスをスタートさせ、15年度中に東京都内100店舗、17年度までに全国1000店舗に導入する計画だといいます。高齢化やインターネット販売の商機を狙ったものでしょう。また、ユニクロと提携し、ネットで購入した商品をローソンで受け取ったり、一部の商品はローソンでも買えるようにすると発表。さらに、東京地下鉄グループ会社であるメトロコマースと業務提携し、メトロコマースが運営する東京メトロ駅構内の売店「メトロス」をローソン店舗へ転換していくことも発表しています。

 こういった動きが出てきている背景には、コンビニ市場は08年には売上規模で百貨店を超え、今では10兆円に迫る規模になってきたとはいえ、かつてほどの成長の勢いはなく踊り場を迎えていることがあります。

 淹れたてコーヒーサービスの成功やPB(プライベートブランド)商品のヒットなどが話題としては賑わうものの、かつてのようにチケット販売サービスを取り込んだり、タスポ効果でタバコ販売を伸ばすなど、大きな売り上げ増につながる契機が見当たらなくなりました。11年は東日本大震災の影響によるまとめ買いの特需で既存店売上高が大きく前年から伸びましたが、翌年には再び伸びが鈍化し、ついに13年からは2年連続で前年割れが続いています。

 そんな中、大手コンビニで唯一既存店売上高を伸ばし続けているのはセブンですが、15年2月期のそれは前年同月比プラス2.4%と、勝ち組セブンにもかつてのような勢いはありません。

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「一店舗当たりの売上高増×店舗数増」の双発エンジンで成長してきたコンビニ市場は、一店舗当たりの売上高が伸びなくなったため、店舗数を増やすことで売上高を伸ばしています。日本フランチャイズ協会の統計をもとに、全店売上高、既存店売上高、店舗数の前年比の推移をグラフにしてみましたが、それを見て取れます。売上高を伸ばしていくためには、さらに店舗数を増やしていくか、なんらかの新しい商機を見いだすことが求められてきます。

大西宏/ビジネスラボ代表取締役

大西宏/ビジネスラボ代表取締役

ビジネスラボ代表取締役。自称「マーケティングの棟梁」

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