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このほか、業績貢献度の大きいパート店員は一流レストランなどでの食事会に招かれたり、年1回の米国研修旅行に派遣されたりする。
イオンをはじめとする大手スーパーは、「特定地域の局地戦で負けてもチェーン店全体で勝てばよい」との発想がある。それが本部統制の全国一律品揃え、全国一律PB商品展開、コモディティ主体の商品開発となって現れてくる。「消費者ニーズの取り込み」を唱えながら、真逆の行動をしているのだ。
だがヤオコーは、埼玉県を中心とする関東一円の特定地域しか戦う場所がない。そのため、行動で消費者ニーズを取り込まなければ生き残れない。加えて流通業は現場の知恵が働かなければ、付加価値を生み出せない業種でもある。そうした認識と危機感がヤオコーをチェーンストア理論にない個店経営に向かわせ、現場がヒューマンパワーを発揮できる環境作りに努めてきたといえよう。
15年3月末現在の同社食品スーパー店舗数は142店。同社はこれを中期で店舗数250店・売上高5000億円、長期で店舗数500店・売上高1兆円の目標を立てている。
しかし、店舗数と社員数が増加してくると、組織の硬直化、官僚化が起こる。そのほうが企業は組織運営をしやすいからだ。企業の宿命といえるかもしれない。そのため、今後は組織の硬直化などをいかにして防ぐかが、同社の新たな経営課題と見られている。
(文=福井晋/フリーライター)
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