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ワーク・ライフ・ハピネス 第5回

月100時間残業、休日なしでも社員はイキイキ!なぜあんな企業がハピネス?

構成=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー
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 また、今回の対談では、参考図書として『実践ワーク・ライフ・ハピネス2』(著:阿部重利、榎本恵一、監修:藤原直哉/万来舎)を用いている。対談で出てくるハピネス企業の事例は本書に登場している。

筆者(以下、鈴木) 今日はお忙しいところ、ありがとうございます。野呂さんは、これまで数多くの企業を間近で見ていらっしゃいます。最近、話題になっているブラック企業にも出会ったことがあるのではないかと思いますが、いかがですか?

野呂エイシロウ氏(以下、野呂) 僕は基本的にブラック企業とは仕事をしません。僕にとってブラック企業とは、社長に目標やビジョンがなく、社員も社長を馬鹿にしているような会社です。よくいるじゃないですか、社員やタクシーの運転手には怒鳴り散らすのに有名人の前では態度を変える社長。それから陰で社長の悪口ばかり言う社員。そんな会社は僕から契約を打ち切ります。給料が良く労働時間が短くても、全体が“ゆるい”会社は好きじゃないですね。

鈴木 野呂さんにとっては、労働時間が長いことがブラック企業の定義ではないのですね。

野呂 そうです。僕自身、経営者でもあるけれど、1年で10日も休みを取らないです。僕が付き合っている企業は、売り上げ20億円から数兆円の会社までありますが、売上高に関係なく、伸びていて勢いがある会社は、社長をはじめ社員が猛烈に働いています。

 ある大企業の社長は猛烈に働くことで有名で、役員が社長をつかまえて打ち合わせできるのがタクシーの中だったりします。そういう会社は、現場の社員から経営陣まで本当に猛烈に働いています。社員は15分の時間も惜しんで、早歩きをし、昼食を取ることも少なく、トイレに行く時間も惜しむほど働いているけれど、実に楽しそうです。社長のことが好きで、役員のことが好きで、上司が好き、という雰囲気に満ちています。

 若い社員が多い某IT企業も、猛烈に働いています。ビジネスは、どんなにがんばっても9割は失敗します。しかし彼らは希望を抱いて、「自分たちで会社を変える」という意欲を持ってチャレンジしています。だから、長時間労働していても楽しそうなのです。

厳しさがあってこそプロ

鈴木 長時間労働だからブラック企業という、単純な見方ではいけないということですね。先ほど“ゆるい”会社とは付き合いたくない、というお話がありましたが、“ゆるい”会社とはどんな会社でしょうか?

野呂 登山でたとえてみましょう。登山コースが整備されている高尾山に登るのは誰でもでき、そこそこ楽しいでしょう。しかし、誰でも登れる山に登ったところで、大した喜びはないですよね。高尾山はアマチュアの登山家が楽しむ山だとしたら、プロはエベレストを目指すはずです。エベレストを目指すレベルになると、楽しいという要素が少なくなって、厳しさが増してきます。それでも登頂できれば最高の達成感が得られ、歴史にも名を残すことができます。

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