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神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

浮気相手の特定、身元調査…探偵業はなぜ“許される”?驚愕の手法、はびこる内部協力者(前編)

文=神樹兵輔/マネーコンサルタント
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 個人情報保護法が規定するものに、「個人情報の利用目的通知」があります。「このたびの個人情報の収集にあたっては、こういう目的のみに限定して使います」といったおなじみの文言がそれに該当します。

 しかし、探偵業者が客から特定人物の調査を依頼され、「○○様から依頼を受けたので、これからあなたの身辺・経歴を調査しますのでご了承ください」などと調査対象者に通知して同意を得るわけにはいきません。そこで警察庁生活安全局は、2005年4月に個人情報保護法が完全施行される直前の同年2月の段階で、「興信所業者が講ずべき個人情報保護のための措置の特例に関する指針」を定め、探偵業者の救済を図りました。以下が個人情報保護法第18条の「利用目的通知」を除外する特例の要約です。

・「対象者が依頼者の配偶者(婚姻の届け出のない事実婚を含む)で、民法752条の義務その他法令上の義務の履行確保に必要な調査の時」
→「浮気調査」が可能

・「対象者が依頼者の親権に服する子で、民法820条の権利その他法令上の権利、義務の履行に必要な調査の時」
→「家出人捜索」「イジメ調査」が可能

・「対象者が依頼者の法律行為の相手方で、法律行為の判断に必要な調査の時」
→「素行調査」「結婚調査」「身元調査」「経歴調査」「信用調査」「家出人捜索」など、大方の調査が可能

・「依頼者が犯罪その他不正な行為の被害を受け、被害防止に必要な調査の時」
→「ストーカー調査」「素行調査」「犯罪調査」が可能

 つまり、晴れて警察庁のお墨付きを得て、従来通りの探偵調査のすべての業務が個人情報保護法の利用目的通知の規制にかかわりなく行えるようになったのです。

「行動調査」は儲かる仕事

 探偵調査業務で一番儲かるのが、「行動調査」と呼ばれる「尾行・張り込み」の業務です。徒歩による尾行・張り込みなら、通常2名1組で状況をカメラやビデオで随時撮影しながら行動をチェックし、メモをまとめて報告書を作成しますが、1時間1~2万円と高額です。しかも、浮気の尾行の場合などでは、調査対象者が浮気相手とホテルに入れば出てくるまで張り込み、浮気をせずに会社で残業をしている場合でも張り込みますから、時間料金は高額になっていきます。
 
 裁判離婚の際、配偶者や浮気相手から慰謝料を取るためには、不貞の動かぬ証拠が必要です。おまけに、家庭裁判所は1回だけの不貞行為では浮気と認めてくれなかったりするので、継続的な男女関係の「証拠」を取る必要があります。

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