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陰りゆくサムスン、このまま衰退するのか?競争力を失ったスマホ事業、復活は絶望的か

文=真壁昭夫/信州大学経済学部教授
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陰りゆくサムスン、このまま衰退するのか?競争力を失ったスマホ事業、復活は絶望的かの画像1サムスン製品のロゴ
 世界のスマートフォン(スマホ)市場の2強である米アップルと韓国サムスンの業績が、好対照になっている。アップルはiPhone 6などの好調な売れ行きを背景に、5四半期連続で業績が拡大している。一方、サムスンはリーマンショク以降の事業拡大を支えてきたスマホ事業が不振に陥っている。

 両社に加えて小米(シャオミ)などの中国勢の台頭もあり、今後スマホ市場の競争はさらに激化することが予想される。積極的なビジネス展開で世界有数のスマホメーカーにのし上がってきたサムスンが、これからの市場環境の変化へいかに適応することができるか注目される。

顕著なサムスンの業績不振

 サムスンの決算を見ると、消費者向けビジネスは総じて競争力を失いつつあるようだ。消費者家電、IT部門の売り上げは減少し、営業利益ベースは前年同期で30%程度落ち込んでいる。家電部門の営業利益は赤字だ。この結果、株主資本に対する利益率は11%と、ここ1年間で9ポイント低下した。

 減益の理由として競争の激化やウォン高の影響などが指摘されているが、ウォン高だけで同社の不振を説明することは難しい。これまで迅速な意思決定と積極的な設備投資で日本企業などのライバルを退けてきたサムスンの勢いに、陰りが見え始めていることは間違いない。

 サムスンは今後、さらにスマホ市場での売り上げを伸ばす方針といわれている。しかし、世界のスマホ市場では、ブランド価値に勝るアップル、そして国内市場に支えられた中国勢の存在が増している。そうした状況の下、サムスンの販売が以前のように伸びるかは不透明な部分が多い。

今後のサムスンの経営戦略と課題

 従来のサムスンの動きを見ると、アップルのようなデザインの独創性、新しいコンセプトをつくり出す創造性はあまり見られない。新しいコンセプトを提供できないと、消費者の関心を引き付けることは容易ではない。

 わが国の企業は円高という逆風に耐えながらも収益力と技術力を磨き、ソニーの高機能カメラや村田製作所のコンデンサ等、徐々に対企業向けの製品市場で強さを発揮してきた。こうした企業の変化は、韓国企業にも参考になるはずだ。

 最近、中国市場などを中心にサムスンのスマホ市場シェアは低下している。グローバル市場では、アップルやシャオミなど中国勢のシェアも高まりつつある。

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