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「EXILEビジネス」は今年も拡大し続ける! AKBにはない拡張性、ダンスビジネスを席巻

文=編集部
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 昨年のエンタメ界のヒットを振り返ると、「妖怪ウォッチ」「アナ雪」「USJハリポタ」などが挙げられるだろう。その他、飲食界に目を移せば、伊右衛門(サントリー)の「特茶」や吉野家の「牛すき鍋膳」などが、世間を巻き込んでブームとなった。では、このようなヒットはどのようにして生まれるのか。

 そのカラクリを探り、あるいは次なるヒットを生み出しているのが「マーケティング・コンサルティング」という業種だ。この職業を世に知らしめ、現場重視のマーケティング解析で数々のヒットの裏側を明らかにし、当サイトほかメディアへの登場頻度も高いのが、マーケティング・コンサルタントである新井庸志氏である。今回上梓された新井氏の著書『メガヒットはたった7つのキーワードで生まれる』(サイゾー刊)では、2014年ヒットした商品やサービス、コンテンツなどの裏側や、今後のメガヒットを予想している。

 ここでは、本書で分析されているヒットの中から、今後さらに拡大が見込まれるという「EXILEビジネス」について紹介しよう。

秋元康のAKBを超えるか? HIROの手腕に注目

 近年、主要メンバーが続々と卒業したことで、新しい時代を迎えたAKB48。同時に、一時の勢いに陰りが見え始めたのは間違いないだろう。一方で、2014年レコード大賞を受賞した三代目J Soul Brothersや、若い女性から高い支持を得ているE-girlsなど、新しいユニットを生み出しては、成長軌道に乗せているのがEXILEが所属するLDH。このLDHの代表であるHIROが手がける、今もっとも勢いのある「EXILEビジネス」の成功要因について、マーケティング視点から説明してみると――。

 まずEXILE、AKB両者に共通する仕掛けとして、「定期的にオーディションを実施して、新しい風を入れている」ことが挙げられる。既存メンバーに刺激を与えるという内部的効用だけではなく、メンバーの新規加入、卒業が繰り返されることで、ファンは新しいメンバーを応援したり、その新しいメンバーに負けないよう、古参メンバーをより応援したりするようになる。既存ファンのさらなる定着と新規ファンの獲得、双方が可能になる仕組みだ。さらに、AKBにはない要素として、ターゲットの異なる個性的なユニットを生み出していくことで、ファンの裾野は広がっていく点がある。このような要素はジャニーズも取り入れており、芸能界で長期間にわたって安定的にビジネスをするための成功方程式のひとつとなっている。

拡大が続く、LDHのGYM事業

 2015年、HIROが展開するビジネスが、AKBを率いる秋元康のそれを超える可能性は高そうだ。そのカギとなるのが、EXILEビジネスの本拠地、LDH本社にある「EXILE PROFESSIONAL GYM」。東京・中目黒の山の手通り沿いにあるこのGYMは、ダンスを中心に、ボーカル、演技指導までを手がけている。1Fはガラス張りになっており、外部から室内が見える状態。EXILEを目指せ、E-girlsを目指せと、小中学生の男女が必死になってダンスの練習をしているのみならず、成人男女も本格的なレッスンに勤しんでいる。

 このGYMは、東京だけではなく全国で展開。台湾の台北校、ニューヨーク校と海外にまで拡大中だ。HIROは、EXILEという人気アーティストをいわば広告塔にして、一般の人たちも参加したくなるようなGYMを手がけているのだ。

 近年はダンスが熱い。EXILEや三代目J Soul Brothersの人気だけではなく、TRFのダンスDVDが書店やコンビニで売れに売れた。今年も数多くのダンスイベントが日本で開催されることもあり、その熱が冷めることはないだろう。そんな中、HIROはダンススクールビジネスをさらに拡大していく。いまや学校教育にも取り入れられた、日本のダンスカルチャーの中心に、EXILEビジネスを動かすHIROの存在があり、それは浮き沈みの激しい芸能界にとどまらないという、圧倒的な優位性を示しているのだ。

マーケティング視点を持つということ

「マーケティング」と聞くと、なんだか難しいイメージがあるが、要はヒットや流行の裏側を覗くことがその第一歩だ。そうすることで、今見ている社会が何倍も楽しく見えてくる。 『メガヒットはたった7つのキーワードで生まれる』では、EXILEほか、「妖怪ウォッチ」や「アナと雪の女王」などのメガヒット誕生のカラクリや「山手線の中吊り広告が消えたわけ」「地ビール人気が復活した理由」など身近な社会現象やトレンドの裏側が、わかりやすい言葉で解説されている。さらにこれを読めば、2015年のメガヒットが生まれる瞬間を肌で感じることができるだろう。「トレンドが100倍面白く見えてくる」。そんなマーケティングの世界をあなたも覗いてみてはいかがだろうか。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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