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鉄道輸出戦争で日本窮地?また中国が異常安値で日本を脅かす 「過剰な技術」がアダか

文=中原宏実/経済ジャーナリス
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 こうした国・地域を狙って、日本は積極的な売り込みをかけている。日本がこれまでで最も成功した事例は台湾新幹線であり、日本の新幹線技術が海外で初めて採用された。車両やホームの造り方、10分足らずで社内清掃を完了するクリーニング・チームなど、乗客へのサービス手法に至るまで日本をモデルにしている。日本政府は台湾に続く新たな成功事例をつくりたいと、国交省が躍起になっている。

中国勢の躍進

 しかし諸外国、特に欧米勢や中国勢との競争が激しく、なかなか簡単な話ではない。これまでの日本のライバルはフランスのアルストムやドイツのシーメンス、カナダのボンバルディアなど主に欧米勢だったが、最近は中国勢の躍進が目立ち、無視できない存在になっている。中国勢は都市交通での車両需要などにも手を伸ばしており、昨年秋、アメリカ・ボストンの地下鉄車両を、中国メーカーが競合相手と比べてはるかに安い受注額で落札して、世界の関係者を驚かせた。当然、前述のカリフォルニアの高速鉄道計画も虎視眈々と狙っている。
 
 だが、高速鉄道の建設は膨大な費用と時間がかかるため、相手先の政治的事情や経済環境にも大きく左右される。いったん決まって動き始めていた計画が急にキャンセルされたり、大きな仕様変更を余儀なくされたりすることも頻繁に起きかねない。また、日本が提供する高度な技術水準は相手国の求める水準に合わず、「ニーズに比べてオーバースペック」として逆に敬遠される場合もある。

 相手先の事情に合わせてどう売り込みをかけ、着実に利益を上げていくか。高い交渉能力や戦略が、政府と民間の双方に求められている。
(文=中原宏実/経済ジャーナリスト)

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