「Thinkstock」より
ところで、膝の痛みの多くは「変形性膝関節症」によるものです。これは、膝に対する負担が積み重なり、クッションの役目を果たしている膝関節の軟骨がすり減ったり変形して、痛みや障害が発生するのです。主な原因は、老化や肥満とされています。加齢に伴って代謝が悪くなり、軟骨の生成が不十分で衝撃を吸収しきれなくなっていくのです。また、体重が増えるとそれだけ膝に負担がかかり、異常が表れると考えられます。
実は筆者も10年ほど前に、膝痛に襲われたことがありました。下りの坂道を歩いている時に、突然右膝に痛みを覚えたのです。さらに、階段を降りる時にも強い痛みを感じました。歩く際には体重の2~3倍、階段を降りる際にはなんと5倍も膝に負荷がかかります。部屋にこもって原稿を書いている時間が長かったため運動不足に陥り、膝の関節も衰退した状態になっていたようです。
膝の状態を正常に戻す方法はないかと調べたところ、とても重要なことがわかりました。それは、骨と骨との間にあって関節を形成する軟骨の成分は65~80%が水分で、残りの固形成分の約半分はタンパク質の一種のコラーゲンでできているということです。
若い頃は代謝が活発ですから、体を構成する成分が活発につくられます。つまり、膝関節を形成するコラーゲンもどんどん生成され、しっかりした軟骨が維持でき、直接骨と骨とがこすれることもなく痛みを感じないのです。ところが、加齢とともにコラーゲンを生成する能力が衰え、膝の軟骨が減って痛みを感じるようになったと考えられます。
ゼラチンを食べ続けたら、痛みが消えた
筆者は「膝関節のコラーゲンを生成しやすくしよう」と思い立ち、実践してみたのです。すなわち、市販のゼラチンパウダー「ゼライス」(マルハニチロ)を購入し、コーヒーゼリーにして食べたり、パウダーをみそ汁に入れたりして飲んだのです。
ゼラチンは、コラーゲンを少しだけ分解し、乾燥させて粉末状にしたものです。つまり、90%以上が実質的にはコラーゲンで、食べると消化液によって分解されてアミノ酸となり、それが消化管から吸収されます。さらに、そのアミノ酸を原料として体内でコラーゲンができやすくなると考えたのです。